現状維持と挑戦が大切

――では、今の東方神起にとって必要なことはなんだろうか。

チャンミン:挑戦と維持。両方、大切だと思います。これだけ長く活動をしていると、アーティストとして、したことがないことを探すのは簡単じゃないんです。それでも新しいことに挑戦し続けるのは、アーティストとしての生命力につながると思うので、挑戦する気持ちは持ち続けていたいです。体力やパフォーマンスの質を維持することももちろん重要ですよね。体力的には落ちていくものかもしれないですが、「昔の方が良かったね」と評価されるのはプライドもあるし悔しいので、限界までやるぞという気概はあります。

ユンホ:(うんうん、と頷いて)新しい面を見せるという意識は常に持っていないといけないと思います。だからといって、ガツガツしたくはないかな。自然な流れで、いろいろな経験ができたらいいな、というのはあります。

――今年、ユンホは36歳、チャンミンは34歳。アーティストとしてはもちろん、一人の人間としても脂の乗った時期に入った。東方神起として、一人の人間として、思い描く未来とは。

いろいろな経験したい

ユンホ:僕は「チョン・ユンホ」と東方神起の「ユンホ」の人生は違うと思っているんです。東方神起のユンホとしては、これまで頑張ってきた年月よりも、もっと長い時間を皆さんとつながっていたいです。東方神起にとって一番大切なことは、「長く続けること」だと思っているんです。僕ね。夢があるんですよ。ファンの方々が結婚して、子どもができて、その子と一緒に東方神起のライブに来る。僕たちのライブが、テーマパークのような存在になったらうれしいなって。無理せず、自然な感じで、穏やかに続けていきたいですね。「チョン・ユンホ」としての人生は……。正直、よくわからないです。迷っているのではなくて、僕にとって「チョン・ユンホ」の人生は、デビューする前の高校生の時で止まっていて、それをどうまた動かせばいいのか、よくわからないというか。もともと今も一生懸命生きているし、このままでいいんじゃない?と思ったりして。とりあえず、一日一日、進んでいくしかないのかなって。

チャンミン:僕は、アーティストとしての僕、一人の男としての僕、一人の人間としての僕という境界線をわざわざ引かないで、仕事とプライベートのバランスをよく取りながら生きていきたいという思いがあります。若い頃からアーティストの仕事をしてきたので、僕だけの時間だったり、家族との時間だったりを十分に取れなかったこともあるんですよね。これからは、そういう部分も充実させていきたいですね。いろいろな経験をして勉強をして、バランスのいい人になりたいです。

(ライター・酒井美絵子)

AERA 2022年7月4日号

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