そう聞くと、ファンの間で俗に「白鷺ルック」と呼ばれるフレディの衣装は、ブライアンの白い衣装より着用感があり、ステージパフォーマンスの激しさを想像させてくれる。ブライアンの刺繍の入ったマント風ブラウスも、76年ロンドンでのハイドパークのフリーコンサートで着用したものだ。ジョン・ディーコンが「RADIO GA GA」のプロモーションビデオで着用したジャケットも珍しい。
「見どころは日本初公開の衣装6着。白地に黄色のラインが入ったフレディのジャケットは、最後のマジック・ツアーで着たものです」(吉田さん)
他にも、来日時にボディーガードを務めた伊丹久夫さんにフレディが贈った時計や日本刀、ロンドンにあるフレディの自宅の日本庭園づくりに関わった高原竜太朗さん所蔵の通用門の鍵なども展示され、日本とのつながりの深さが伝わってくる。
「これほどの情報を網羅した展覧会を開催したのは日本だけ。こんな形のイベントを他の国のファンも見られるといいですよね。今回は、一つのいいひな型になったので、今後、日本以外でも開催できればと期待しているんです」(同)
(ライター・角田奈穂子)
※AERA 2020年2月10日号