映画「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットから1月の来日公演と、クイーン熱は下がりそうにない。開催中の展覧会も大入りを続ける。その展覧会の実現を支えたのは、日本とクイーンの縁の深さだった。
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来日公演の余韻も冷めやらず、クイーンの足跡をたどる「クイーン展ジャパン」が話題を集めている。展示構成はシンコーミュージック・エンタテイメントが担当。クイーンと日本のつながりを深めるきっかけを作った音楽雑誌「ミュージック・ライフ」の発行元だ。
展示とキュレーション担当として、クイーンのマネジメント事務所などとの調整役を務めたのは、同社取締役であり、社内で「クイーン・コンシェルジュ」と呼ばれる吉田聡志さん(59)だ。
「クイーン展ジャパン」の企画が持ち上がったのは、じつは来日公演の決定より前。1年ほど前、吉田さんの元へ、スイスにあるクイーン専門博物館の展示品を使って、日本でイベントができないか、という打診があったという。
「同時に日本とクイーンの縁をまとめた本を作りたいという希望もあり、シンコーに声がかかりました。うちも定期的にクイーンのイベントを開催していたので二つ返事でした」
方向性を詰めていた7月、韓国でクイーン展が開催されると聞いた吉田さんたちスタッフは、すぐに渡韓。だが、その内容はクイーンの曲をテーマにしたアート展だった。
「日本のファンが求めているものとは違うと感じました。映画『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットもあり、日本では初心者からマニアまでを対象に、クイーンの存在と音楽を深く好きになってもらえる内容にしようとコンセプトが固まったんです。女性目線もクイーンには大切な要素なので、展示には女性スタッフの意見も重視しました」
「クイーン展ジャパン」は、初来日からフレディ・マーキュリーが亡くなり、追悼コンサートが開催された1992年までを六つのパートに分けて展開。先の「ミュージック・ライフ」で彼らを数多く撮影した長谷部宏さん(89)の写真を中心に、11点のステージ衣装や手書き筆跡の歌詞カードなどが展示され、ブライアン・メイからのメッセージ動画やライブ映像の上映もある。吉田さんが言う。
「クイーンの衣装にはレプリカもありますが、展示はすべてステージかプロモーションビデオで着用した実物です」