年末年始の6日間をかけて、東京メトロ銀座線渋谷駅の移設工事が行われる。今の渋谷駅はJRから銀座線への乗り換えは一苦労だが、新しい駅は、本当に乗り換えが便利になるのだろうか?(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
●年末年始の6日間は銀座線で渋谷に行けない!
東京メトロは12月27日深夜から1月3日未明にかけて、銀座線渋谷駅ホームの移設工事を実施する。1月3日の始発から、明治通りの直上、渋谷スクランブルスクエアと渋谷ヒカリエの間に設置される新ホームで営業を開始する予定だ。
工事に伴い銀座線は、12月28日始発から1月2日の終電まで、表参道~渋谷駅間、溜池山王~青山一丁目駅間で運休。浅草~溜池山王駅間と、青山一丁目~表参道駅間の折り返し運転を実施する。つまり年末年始の6日間、銀座線で渋谷に行くことはできなくなるので、予定がある人は注意してほしい。
埼玉在住かつ方向音痴の筆者にとって、渋谷駅は鬼門といっても過言ではない。まず埼玉方面からの玄関口であるJR埼京線・湘南新宿ラインのホームが遠い。長い通路を歩いて、ようやく改札にたどり着いても、右に行けばいいのか、左に行けばいいのかが分からなくなってしまうのだ。
渋谷駅が分かりにくい最大の要因は、路線ごとに乗り換えしやすい改札口が異なることだろう。乗り換えでたまにしか利用しない人にとっては、行くたびに風景が変わって見えるし、ルートを間違えた途端に「迷宮」に迷い込むことになる。
例えば、JRから銀座線への乗り換えは行きと帰りでルートが異なる。JR渋谷駅の3階「中央改札」を出ると、目の前に銀座線の改札があるが、これは降車ホームの出口専用改札。銀座線に乗るためには、いったん2階に下りて「玉川改札」を通り過ぎた先の階段で、再び3階に上らなければならない。
一方、東急田園都市線・地下鉄半蔵門線への乗り換えは、1階「ハチ公改札」から出て改札脇の階段から地下に下りるのが近い。東急東横線・地下鉄副都心線に乗り換えるには、1階「南改札」から出て、B6出入口を下りていくのが近い。
銀座線ホームが移設される2020年1月3日以降、JRから東急・地下鉄への乗り換えは改善されるのだろうか。現地を歩き回って考えてみたところ、見えてきたのはJR「中央改札」を起点に乗り換える方法である。