背景の人工物をなるべく見せないように、1.4倍のテレコンバーターを装着して、ライオンのタテガミが画面から若干切れてしまうくらいにフレーミングした。野生感を出すのにあえて手前の岩を前ボケで取り入れた■キヤノンEOS 7D MarkII・EF100~400ミリ F4.5~5.6L IS II USM×1.4・シャッター速度優先AE・1250分の1秒(絞りf6.3)・ISOオート(2500)(撮影/井村淳)
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背景の人工物をなるべく見せないように、1.4倍のテレコンバーターを装着して、ライオンのタテガミが画面から若干切れてしまうくらいにフレーミングした。野生感を出すのにあえて手前の岩を前ボケで取り入れた■キヤノンEOS 7D MarkII・EF100~400ミリ F4.5~5.6L IS II USM×1.4・シャッター速度優先AE・1250分の1秒(絞りf6.3)・ISOオート(2500)(撮影/井村淳)
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【「ガラスやアクリル板越しに動物を狙う」映り込み対策をした作例がこちら!】

アサヒカメラ』2019年12月号では「動物写真の世界へようこそ」と題し、動物写真の撮り方を75ページにわたって大特集!「シーンごとの最適なカメラやレンズ構成」「絞りやシャッター速度、ピントの合わせ方」といった初心者向けの基本のテクニックから、「背景の扱い方や画面の切り取り方」そして「動物と対峙する姿勢やマナー」までを、第一線の動物写真家たちが教えてくれました。

 前回の記事「01動物写真家が教える『身近な野生動物』の撮り方」に続き、今回は写真家・井村淳さんが指南する「動物園での撮影テクニック」を紹介します。

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【基本編】檻越しやガラス越しでもきれいに写す

 動物園で写真を撮ろうと思った時に、檻が邪魔で撮れないと思う人もいるだろう。しかし、檻はいくつかの条件を満たせれば消すことができる。まずはファインダーをのぞいて見てみよう。

【檻の消し方】カメラはなるべく檻に近づきなるべく檻から離れた動物を狙う。檻の色は黒いとよい。光は檻が日陰で動物が日なたであれば効果的で、その反対はNGである。また、レンズは望遠であればあるほどよい。絞りは開放かその付近にセッティングする
【檻の消し方】カメラはなるべく檻に近づきなるべく檻から離れた動物を狙う。檻の色は黒いとよい。光は檻が日陰で動物が日なたであれば効果的で、その反対はNGである。また、レンズは望遠であればあるほどよい。絞りは開放かその付近にセッティングする

 檻が消えるといってもなくなるわけではなく、大きくボカすことで見えにくくなるのだ。ボケた檻の色がシルバーだったり、光が当たったりしていれば白っぽく目立ち完全には消えないこともある。しかし、慣れてくるとその檻がきれいに消せるかどうか、見分けられるようになる。

檻越しの動物を狙う時は、カメラのオートフォーカスの設定にもよるが動物より手前にある檻にピントが合ってしまうことがよくある。フォーカスフレームを1点など小さくして檻の格子の間から狙うようにしよう。この時にボケて見えなくなったとしても格子が動物の目にかからないようにカメラポジションを微調整することも大事である■キヤノンEOS 7D MarkII・EF100~400ミリ F4.5~5.6L IS II USM・シャッター速度優先AE・250分の1秒(絞りf5.6)・ISOオート(640)(撮影/井村淳)
檻越しの動物を狙う時は、カメラのオートフォーカスの設定にもよるが動物より手前にある檻にピントが合ってしまうことがよくある。フォーカスフレームを1点など小さくして檻の格子の間から狙うようにしよう。この時にボケて見えなくなったとしても格子が動物の目にかからないようにカメラポジションを微調整することも大事である■キヤノンEOS 7D MarkII・EF100~400ミリ F4.5~5.6L IS II USM・シャッター速度優先AE・250分の1秒(絞りf5.6)・ISOオート(640)(撮影/井村淳)

 動物園では檻以外にガラスやアクリル板越しという障害もある。見ている時は動物に注目しているので気がつかなくても写真になると映り込みが目立ってしまう。映り込みをなくすにはレンズをガラスにぴったりと垂直につければよいのだが、そこまで近寄れなかったり、ガラスやアクリル板が斜めになっていると隙間から映り込みが発生することもある。

ガラスやアクリル板越しに動物を狙う時は、ガラスやアクリル板に対して垂直方向にぴったりとレンズをつけられれば映り込みを防ぐこともできるが、そんな場所ばかりとは限らない。特に天気のよい時は映り込みがくっきりと出てしまう。映り込みは黒色を映り込ませれば消えるので、自分だけでも黒い服を着用し、黒い手袋などもおすすめである■キヤノンEOS 7D MarkII・EF100~400ミリ F4.5~5.6L IS II USM・シャッター速度優先AE・640分の1秒(絞りf5.6)・ISOオート(320)(撮影/井村淳)
ガラスやアクリル板越しに動物を狙う時は、ガラスやアクリル板に対して垂直方向にぴったりとレンズをつけられれば映り込みを防ぐこともできるが、そんな場所ばかりとは限らない。特に天気のよい時は映り込みがくっきりと出てしまう。映り込みは黒色を映り込ませれば消えるので、自分だけでも黒い服を着用し、黒い手袋などもおすすめである■キヤノンEOS 7D MarkII・EF100~400ミリ F4.5~5.6L IS II USM・シャッター速度優先AE・640分の1秒(絞りf5.6)・ISOオート(320)(撮影/井村淳)

【初級編】背景に人工物を入れない工夫を

 動物園で動物を撮影する時のテーマはそれぞれあるだろう。動物ののんびりしている可愛いしぐさや表情を狙ったり、好きな動物だけをずっと観察して狙ったりとさまざまである。

 私が初めて動物園で撮影したのは、動物写真家になりたいと思った学生の時、せめて練習はしておこうと考えたからである。

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あえて被写体の前に人工物を入れて撮影するには?