【「ガラスやアクリル板越しに動物を狙う」映り込み対策をした作例がこちら!】
『アサヒカメラ』2019年12月号では「動物写真の世界へようこそ」と題し、動物写真の撮り方を75ページにわたって大特集!「シーンごとの最適なカメラやレンズ構成」「絞りやシャッター速度、ピントの合わせ方」といった初心者向けの基本のテクニックから、「背景の扱い方や画面の切り取り方」そして「動物と対峙する姿勢やマナー」までを、第一線の動物写真家たちが教えてくれました。
前回の記事「01動物写真家が教える『身近な野生動物』の撮り方」に続き、今回は写真家・井村淳さんが指南する「動物園での撮影テクニック」を紹介します。
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【基本編】檻越しやガラス越しでもきれいに写す
動物園で写真を撮ろうと思った時に、檻が邪魔で撮れないと思う人もいるだろう。しかし、檻はいくつかの条件を満たせれば消すことができる。まずはファインダーをのぞいて見てみよう。
檻が消えるといってもなくなるわけではなく、大きくボカすことで見えにくくなるのだ。ボケた檻の色がシルバーだったり、光が当たったりしていれば白っぽく目立ち完全には消えないこともある。しかし、慣れてくるとその檻がきれいに消せるかどうか、見分けられるようになる。
動物園では檻以外にガラスやアクリル板越しという障害もある。見ている時は動物に注目しているので気がつかなくても写真になると映り込みが目立ってしまう。映り込みをなくすにはレンズをガラスにぴったりと垂直につければよいのだが、そこまで近寄れなかったり、ガラスやアクリル板が斜めになっていると隙間から映り込みが発生することもある。
【初級編】背景に人工物を入れない工夫を
動物園で動物を撮影する時のテーマはそれぞれあるだろう。動物ののんびりしている可愛いしぐさや表情を狙ったり、好きな動物だけをずっと観察して狙ったりとさまざまである。
私が初めて動物園で撮影したのは、動物写真家になりたいと思った学生の時、せめて練習はしておこうと考えたからである。