漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「今度生まれたら」(NHK BSプレミアム 日曜22:00~[6月19日最終回])をウォッチした。
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70歳になった夏江(松坂慶子)はつぶやいた。「今度生まれたら、この人とは結婚しない」。内館牧子の小説をドラマ化した本作。夏江の夫・和幸を演じるのは風間杜夫。
夏江の姉・信子(藤田弓子)の夫・芳彦は平田満。松坂、風間、平田といえば、もちろん思い出すのは映画「蒲田行進曲」。
古き良き映画撮影所を舞台に鮮やかな人情劇を繰り広げた3人が、今この時代の老後をこれでもかと見せつける。
内館ドラマといえば、「想い出にかわるまで」では妹が姉の男を寝取り、「週末婚」では姉の結婚式で妹が姉の男遍歴をバラすという、女という生き物のサガをとことんえぐり出す「女のいやらしさ歳末大売り出し」的お見事な作品の数々。もちろん70歳でも女は女だった。
平田演じる芳彦は、同窓会で憧れのマドンナ・バンビ(ジュディ・オング)と再会し、あっという間に恋におちて離婚する。気持ちがおさまらない元妻は、バンビに一言物申したい。
「この人、無呼吸症候群だからよろしくね。あとトイレットペーパーのことなんだけど、二枚重ねにしてもパンツにウンチがついてることがあるのよ。それからおしっこが頻繁なのはね……」