市村正親さん(左)と林真理子さん(撮影/写真映像部・高野楓菜)
市村正親さん(左)と林真理子さん(撮影/写真映像部・高野楓菜)

林:そうなんですね。「ミス・サイゴン」楽しみです。絶対見に行きます。その前は市村さん、3月のはじめから5月のはじめまで「ラ・カージュ・オ・フォール」(日生劇場ほか)をなさってたんでしょう? コロナで途中ちょっと休演したみたいですけど、これも市村さんの当たり役で、LGBTのお話ですよね。

市村:そうです。

林:何回もやってらっしゃるから、「ラ・カージュ」も「ミス・サイゴン」も、セリフは入ってるんですか。

市村:「ラ・カージュ」は、僕、1週間でできます。「ミス・サイゴン」も、1週間の稽古でできちゃいます。体に入ってるからね。

林:歌舞伎の代役と同じようなものですね。「ラ・カージュ」っておもしろいですよね。

市村:いいお話ですね。テーマが「いまこのときをしっかり生きて愛して」だし。僕が初めて「ラ・カージュ」のザザをやったのが44(歳)で、そのときは自分で言うのも変だけど、美しすぎたんだよね(笑)。

林:ああ、わかります。

市村:いまようやっとほんとのザザに近づいてきて、「動けない。顔は醜い。ヤだヤだヤだ!」というザザになったので、今回はリアルに演じられたと思います。だんだんいい感じに老けてきて。

(構成/本誌・唐澤俊介 編集協力/一木俊雄)

週刊朝日  2022年7月8日号より抜粋