DCは、毎月の掛け金の商品選択ができるほか、積立金も「スイッチング」という仕組みを使って商品構成を変えることができる。預金を一部解約して投資信託を買えば、少しずつ投資に回すお金を増やしていける。

 株価のグラフなどを見ながらここまで説明すると、相談者はつきものが落ちたように「そうですね、一度に買ってはダメですね」と納得する。こうして丁寧に説明をしない限り、まとまったお金を手にすると、多くの人は「そのお金を残らず一度に投資しなくてはいけない」と思い込んでしまうようだ

●早めに受け取った退職金の運用先は金融機関に相談するな!

 プライベートでも「運用病」にかかっている人から話題を向けられることがある。20代のときに会社勤めをしていたときの先輩から「55歳で子会社に出向することになり、予定より早く退職金を受け取った。それを運用しないといけない。何を買うべきか」と飲み会の席で言われることが数回。飲み会で聞いてはいけないですね~(言えないけれど)。

 きっと私がFPだから「最適ないい商品」を知っていると思って聞いてくるんだろう。しかも、他に同席する人がいる飲み会の席で。確実に増える最適ないい商品なんてないうえ、その人の事情もわからずアドバイスなどできるはずもない。

 あいまいな笑顔で「お子さんの教育費や住宅ローンもあるなら、運用どころでないかもしれませんよ~。奥さんに話してみてはどうですか~。あっ、金融機関には相談してはダメですよ」と軽く返し、話題を変えることにしている。

 退職金を受け取ったり、相続でお金を手にすると、銀行や保険ショップに相談に行き、勧められるままに手数料の高い投資信託や外貨建て保険を買ってしまったりする人が少なくない。金融商品の売り手に相談すると相談料は取られないが、相談料以上に高い販売手数料を支払うことになるのを忘れてはいけない。

 最近、銀行は高い手数料の投信信託を売ることから、インデックス投信など安い手数料のものを長期保有してもらう販売方針にシフトしてきているので、投資信託に関しては少し環境が良くなった。

 しかしその分、外貨建て保険の販売に積極的だ。銀行だけでなく、保険ショップ、保険代理店、どこもかしも米ドル建て、オーストラリアドル建てといった「外貨建て」を売りまくっている。

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外貨建て保険を勧めない3つの理由