ミッドタウンの5番街にあるニューヨーク公共図書館(写真/筆者提供)
ミッドタウンの5番街にあるニューヨーク公共図書館(写真/筆者提供)
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 ドキュメンタリー映画監督の海南(かな)友子さんが10歳の息子と年上の夫を連れ、今年1月からニューヨークで留学生活を送っている。日本との違いに戸惑いながら、50歳になっても挑戦し続ける日々を海南さんが報告する。

【写真】筆者の海南友子さん

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 うわさには聞いていたけれど、アメリカの大学の勉強は超大変だ。資料も提出課題も多い。私はついていくのに必死だから、放課後は毎日、さまざまな図書館で勉強している。

 一番のお気に入りはミッドタウンにあるニューヨーク公共図書館本館だ。映画「ゴーストバスターズ」や「デイ・アフター・トゥモロー」の舞台になったゴージャスな建物。クラシックな意匠と高い天井はまるで宮殿だ。1890年代に巨額な資金を注ぎ込んで建設されたが、図書館だから入館料は無料。ここに来るたびに思う。

「こんな美しい図書館で勉強している私ってすてきだ(笑)」

 通ううちに、図書館のさまざまなサービスに気がついた。無料で英語やパソコンを学べる講座や、投資や就活の相談など。せっかくだから大学以外の学びも体験してみようと「アメリカ市民権」講座に申し込んでみた。そこではからずも移民大国アメリカを実感することになる。

 教室には多様な人種の大人が30人くらい。先生はフレンドリーなアメリカ人女性で、開口一番ノリノリでこう叫んだ。

「みなさん! ヨシュアが先月の市民権テストに合格しました! イエーい! 拍手!!」

 ヨシュアがそもそも誰なのか知らんけど、とりあえず私も拍手した。

 そして先生は、おもむろにアメリカ大統領の絵を次々と貼り始めた。

「耳の横にチョココロネが二つ」みたいな同じ髪形で誰が誰だか見分けがつかない。

「建国の父は誰ですかー? 奴隷解放宣言はー? 主要な大統領は“市民権テスト”に出ます。この5人の名前と政策は覚えましょう!」

 実は、この講座はアメリカ人になるための“市民権テスト”の講座だった。市民権テストとは、移民局で受ける面接と試験のことで、受かれば宣誓式を経てアメリカ市民になれる。試験には「英語」の4技能(読む・書く・聞く・話す)と「歴史と公民」がある。特に「歴史と公民」は義務教育レベルの社会科の知識が必要だ。日本なら、聖徳太子や織田信長を知っているかとか、首相、知事の名前や、選挙権、裁判について問われる感じだ。

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大統領と副大統領が事故で一緒に死んだら、次の大統領は?