AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:料理をするのがおっくうです。忙しい日々のなかで、料理は息抜きと思ってきました、
忙しさが増すと料理は面倒でしかなくなりました。デリバリーやお総菜を活用していますが、「ママの手作り」を望む子どもたちの声が時々聞こえてきて申し訳なさにさいなまれます。(女性/会社員/47歳/おうし座)
A:大人になってわかることでいちばん驚愕することって、親にやってもらってきたことのありがたさなんですよね。
病気になったときに仕事を早退して自転車の後ろに乗っけて病院に連れていってくれたこととか、忙しい中で時間を割いて弁当を作ってくれたこと。一生かけてもその恩は返せないなと感じます。
だから、母親の立場でこういうことを相談してくださるのは嬉しいし、勝手にこの人の子どもになった気分で、そこまで考えてくれてありがとう、と思います。
ご相談にある「申し訳なさ」についてですが、これはいろんな悩み事の根源に感じるものでもあるし、すごく根が深い。「楽しんでもらいたいから」ではなく「やらないと申し訳ないから」何かを頑張ったり他人に尽くしたりする。それは日本に住む人たちの独特の愛情表現と言ってもいいのかもしれません。
そんなことはやめたほうがいい、という簡単な話ではありません。僕はそこに畏敬の念を感じてしまうし、愛情とモラルが入り混じった「申し訳なさ」を一人ひとりが持っているからこそ、日本では電車が毎日時間通りに動いているのだとすら思います。
申し訳ないと思って「よっこらせ」と重い腰をあげればできることはたくさんあります。仕事の返信も、頑張ればできるけどもう23時過ぎてるんだよな、みたいなとき。持論として強く思うんですが、そういう予備燃料はなるべく使わないほうがいいです。