【発達障害人材の特性と主な改善案】
※困りごとは特性の種類やその程度によってさまざま。個別に調整する必要がある
■上司から「いつものようにやっておいて」「急ぎでやっておいて」と頼まれても困ってしまう
特性:ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性であいまいな指示の理解が苦手な人も
改善案:指示は「○○のときと同じ形式で」など具体的に/「いつまでに」と期限を伝える
■次々に仕事を頼まれて戸惑う
特性:ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性でスケジュール管理が苦手
改善案:マルチタスクは避け、ひとつの仕事が終わったら次の仕事を頼むと仕事に集中して取り組める
■「それあっちに置いてきて」と言われても、どうすればいいかわからない
特性:ASDの特性で相手が出した身体的サインから状況や意図を読み取るのが難しいことも。抽象的な言葉では何をどこへ置いたらいいか理解できない
改善案:指示を出すときには具体的に「○○をどこどこへ置いて」と言う、依頼シートの活用もGOOD
■口頭での説明ではわからない
特性:ASDの特性は視覚情報が強く行動に影響し、ADHDの特性でワーキングメモリーの弱さがあることもあり、言葉だけでの説明では理解しにくい
改善案:図や絵の活用や、テキスト情報で順に伝えるなど工夫を
■開放的なオフィスでは集中できない
特性:ADHDの特性で周りの会話や音、気になるものがあると気が逸れてしまう人も
改善案:耳栓やパーティションなどを活用し、集中できる環境を用意する
■いま流行のフリーアドレス(固定席を持たずに好きな席で働くスタイル)の職場で戸惑う。いつも決まった席に座りたい
特性:ASDの特性で特定の行動、思考パターンを乱されると動揺したり、パニックを起こしたりすることも
改善案:固定席もOKとする
(編集部・高橋有紀)
※AERA 2022年12月19日号より抜粋