
ドバイはスケールの大きなことが大好きな街だ。世界一の高さを誇る超高層ビル、ブルジュ・ハリファの向かいに立つアドレス・スカイビュー。上階の展望台には、スケルトンのガラスの滑り台まで造ってしまう奇想天外ぶり。高さ219.5メートルの53階から52階まで透明なガラスチューブの中を滑ると、まるで宙に浮いたような感覚に。
宙に浮くといえば、パームタワー50階にある「オーラ・スカイプール」は、200メートルの高さから360度全方向が見渡せるインフィニティプール。まるで天国で泳いでいるような気さえしてくる。気持ち良すぎて、地上に帰るのを忘れそうだ。
最終日の3日目、倉庫街を再開発したアートエリア「アルサーカル・アベニュー」へ向かった。ここは今、流行の先端を行く場所へと生まれ変わった。自分で香水を作るラボ「オー・ラ・ラ」で調合体験。できた香水は「Dubai’s Dune(ドバイの砂漠)」と名づけた。この旅で感じた開放感を忘れたくないという思いを込めた。
最後の晩餐は、2022ミシュランに選ばれたインドフュージョン料理「カーニバル・バイ・トレシンド」。ドライアイスを使ったパフォーマンス満載のノンアルカクテルなど、見た目にも楽しい食事を味わい尽くした。
夜半に空港に向かい、日本に帰る。この濃密な2泊4日の旅。コロナ禍で海外旅行の壁はまだ厚いが、一歩踏み出すことで、新しい世界は見える。(ライター・西元まり)
※AERA 2022年12月19日号