さらに、「番組では、『毎月1回程度や気になるときに』といった使い過ぎへの注意喚起や、香害や化学成分などが気になる方に向けて『無香料の柔軟剤の使用』や『柔軟剤で処理した後に改めて水洗いすること』などの情報を伝えました」と、回答は続いた。
回答の内容について、日本消費者連盟が3月28日に出田部長に電話で確認すると、洗濯のコツを取材した相手は大矢教授と洗濯機メーカー、香り成分などについて取材したのは、厚生労働省健康局や国民生活センターなどだった。
またNHKの取材に対し厚労省健康局は、柔軟剤などで健康障害が起きるという指摘について「医学的には危険性を判断できない」と回答したという。
●過去にも批判受ける柔軟剤使った「除電ぞうきん」
「ガッテン!」は、2017年10月18日放映の「なぜ出るホコリ! 原因はそこだった!?」でも、柔軟剤の使用を推奨している。
柔軟剤数滴(数ミリリットル程度)をバケツに垂らして5倍に薄め、その中にぞうきんを1~2分漬けた後、固く絞って5分ほど乾かせば、「除電ぞうきん(柔軟剤ぞうきん)」になる。
これで床・壁・棚・家具などを拭けば、柔軟剤には静電気防止効果があるので、ホコリの発生源である静電気を除去でき、ホコリもたまらないと、番組で説明した。
このときも、「そんなことをすれば、家の中が柔軟剤の成分だらけになる。ホコリが気になるなら、きちんと掃除をしよう」といった批判がツイッターなどで流れた。
ほかにも「ガッテン!」では、「行き過ぎた表現」が混乱を招いたとしてNHKが謝罪し、再放送を取りやめたことがある。
2017年2月22日放送の「最新報告!血糖値を下げるデジタルパワーの謎」だ。
この番組では、「睡眠薬で糖尿病の治療や予防ができる」と説明した際、特定の医薬品とわかる映像を流し、しかも「副作用の心配はない」とした。
これに対し視聴者や医師から「睡眠薬の不適切な使用を助長しかねない」「副作用を軽視している」などの批判が殺到。
日本睡眠学会は「番組で取り上げられた睡眠薬は、国で承認された効能・効果は『不眠症』に限定されており、糖尿病に処方することは認められていない」などという内容の「見解」を発表した。
「ガッテン!」は、簡単に合点してはいけない番組なのだ。
(ジャーナリスト 岡田幹治)