3月13日は「部屋干し臭を消す」「がんこな黄バミが家庭で落とせる!」に続く「洗濯シリーズ」の第3弾だった。
番組はまず、洗濯を繰り返すと、服はどんどん傷み、ヨレや伸びがひどくなっていくが、そのダメージを少なくするには、洗濯槽に入れる衣類の量を容積の5~7割にするのが有効と説明した。
これが「ふだんの洗濯でヨレや伸びを減らすワザ」だ。
続いて、大矢勝・横浜国立大学教授が、「傷んだ衣類を復活させるワザ」として、番組で紹介したのが次のような方法だ。
――10リットルの水に、およそキャップ1杯分の柔軟剤を溶かし、傷んだ衣類を浸して繊維の奥まで浸透するよう30秒程度もみ込む。衣類の形を整え、軽くたたんで洗濯機で脱水する。すすぎはしない(これが重要)――。
柔軟剤のパッケージに表示されている「使用量の目安」は、65リットルの水にキャップ1杯分だから、推奨された方法では柔軟剤の濃度は6倍になる。
画面には柔軟剤の容器が何度も鮮明に映し出され、古着業者が大量の柔軟剤を使って古着を新品のようにして店頭に並べていることも紹介された。
ゲストの「すすがないで皮膚は大丈夫か?」との質問に、大矢教授が「この程度なら大丈夫」と答える場面もあった。
番組の最後は、次のような自画自賛の場面で締めくくられた――。
アフリカ・コンゴ共和国には、世界一、服にお金をかける人たちがいるが、彼らにとって悩みは汗で服が汚れやすく頻繁に洗濯をしなければならないこと。そこで、番組で紹介した方法を試していただくと大成功で、喜んでもらえた。
●消費者連盟の「110番」で「香害」の原因商品のトップ
このワザに、「香害」の被害者たちが怒ったのは、大量のCMで売り上げを伸ばしている「香りつき柔軟仕上げ剤」が、頭痛や、化学物質過敏症などの健康被害をもたらす「香害」の“元凶”だからだ。
化学物質過敏症は、ごく微量の化学物質にさらされるだけで、頭痛・めまい・筋肉痛などの多様な症状が起きる病気だ。
たとえば、消費者団体の日本消費者連盟が一昨年に実施した「香害110番」に寄せられた苦情では、柔軟剤が原因商品のトップだった。