■こんな猫がいてほしい!

『デキる猫は今日も憂鬱』(山田ヒツジ、各900円、既刊6巻、講談社)

『ラーメン赤猫』(アンギャマン、1巻630円、2巻680円、既刊2巻、集英社)

『デキる猫は今日も憂鬱』に登場する諭吉は、家事を万能にこなす超有能なツンデレ猫。子猫の頃に凍死寸前のところを、仕事以外の生活能力が皆無な女性・幸来(さく)に拾われる。諭吉は幸来のダメっぷりを目の当たりにし、何とかせねばとデキる猫に成長。
酔っ払って帰ってきてもメイクを落とし、ベッドまで連れていってくれる諭吉を見ていると、「うちにも来て!」と言いたくなる。単行本には諭吉がデキる猫になるまでの描き下ろしが収録されており、これがまたいい! 2023年にはアニメ化も決定している。

『ラーメン赤猫』の舞台は、猫が営むラーメン店。アルバイトの面接に訪れた珠子という女性が、「どちらかというと犬派」だったことから即採用に。仕事は従業員猫の毛づくろいだった(猫好きは猫従業員に夢中になって仕事にならない)。
猫なので味見はできなくても味は本格派で、常連客も多い同店。猫のラーメン店という設定のおもしろさはもちろん、個性的な猫たちの様子がかわいく、パワハラ企業の前職で自信を失っていた珠子が同店で居場所を見つける過程など、読み応えあり。ここのラーメンをぜひ食べてみたい!
■時代や世界が違っても

『猫奥』(山村東、640~650円、既刊5巻、講談社)

『このマンガがすごい! comics 猫と竜』(漫画:佐々木泉、原作:アマラ、キャラクター原案:大熊まい、690~700円、既刊7巻、宝島社)

『猫奥』の舞台は江戸時代の大奥。大奥に仕える女性の多くは生涯独身で、彼女たちの間で猫を飼ってかわいがることが流行した時期があったという。滝山も猫好きな女性のひとりで、自分も猫を飼いたかったものの、タイミングを逃してしまう。
厳しい性格ゆえ、周囲に恐れられている滝山は、猫を無邪気に「かわいい~」と愛でることができず、猫嫌いのレッテルを貼られてしまうことに。上司の飼い猫・吉野ちゃんがお気に入りだが、周囲の目もあってそれを出せずにいる気苦労ぶりが笑いを誘う。