■比翼の鳥が飛び交う春色のしつらえと和菓子
今回のプティ・タ・プティのテキスタイル/title:ロワゾ「鳥」。
二本から一本に連なる樹に飛び交う比翼の鳥は、京都市左京区にある神社の御神木からイメージし、図案に描いたものです。春は新しい物事や人との出会いが始まる季節。縁を結び合う時きっかけが生まれる季節でもあります。飛び交う鳥や花びらのように、軽やかに春を愉しみながら、お花見に彩りを添えてみてはいかがでしょうか。
春の野山を描いたような和菓子が、シンプルな鎚目仕上げの錫の菓子皿によく映えます。
ピクニックバスケットには、寺町通りの骨董店の軒先で見つけた豆皿やお気に入りの道具、ポットには一保堂の温かいほうじ茶を注いで。春色のランチョンマットを添えれば、一層気分を高めてくれます。しょっぱいご飯ものと甘いもんの両方が揃い、桜の眺めのいい場所が決まったら腰を落ち着けて、さあ、お花見ピクニックの始まりです。美味しいものへ急降下してくる鳶(とび)にはくれぐれも注意してくださいね。
(撮影/竹下さより、編集協力/江下祥子)
ナカムラユキ
京都市在住。イラストレーター、テキスタイルデザイナー。著書に『京都さくら探訪』(文藝春秋)『京都レトロ散歩』(PHP)他多数