編集工学者松岡正剛氏の書評サイト「千夜千冊」の原点となったブックガイド。365の書籍を1冊100字で紹介した本文は、雑誌「遊」1981年8・9月合併号の特集「読む」を基本に構成されている。
「読書はイマジネーションにはじまる」から「読書で一番遠いところへ行く」まで、12の魅力的なテーマのもとに並ぶ古今東西の書籍は、松岡氏の知的で軽やかなセンスによって有機的なつながりを持っており、ある時代ある人物の本棚をのぞく興奮がある。附録の読書術講義では、本の具体的な読み進め方についても多くを学べる。
読書は「恋人の選択と似て『気がついたら好きになっていた』というのが、せいぜいの極意なのだ」と81年当時の松岡氏は書く。豊かな読書体験へと誘う一冊。
※週刊朝日 2018年12月14日号