3. 小鳥ケ池(長野県長野市・戸隠高原)
鏡池のほど近い場所にあり、標高も鏡池とほぼ同じ。ここもミズナラやダケカンバ、カラマツが池のまわりを覆っている。湖水の向こうには戸隠連山がそびえ、水面に映る。鏡池よりも戸隠連山からの距離が離れているうえ、木々が山すそを遮るため、目の前に山の岩肌が立ちはだかるようなイメージとはならない。そのため、大勢のカメラマンや観光客で喧騒を極める鏡池とは違い、訪れる人も少なく静寂、穴場である。戸隠連山を入れた定番写真ではなく、紅葉と水鏡をメインに写すならば、鏡池より小鳥ケ池のほうが岸辺にいろいろな木々があり、バリエーション豊かに撮れる。撮影には望遠ズームレンズが重宝する。
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4. 長池(長野県山ノ内町・志賀高原)
志賀高原に大小点在する湖沼のなかでは3番目に大きな池。周辺は信州大学教育学部付属の志賀自然教育園になっている。園内には遊歩道が整備され、資料館もある。長池は標高1584メートルに位置し、周囲はシラカンバやダケカンバに覆われている。これらの木々は黄色く染まり、シラビソなどの針葉樹が緑の彩りを添える。この黄と緑のハーモニーが美しく、長池の水鏡の撮影ポイントとなる。カメラマンでごった返す人気のある定番撮影ポイントとは違い、静かな場所で、穴場。撮影は遊歩道のある池の北側、東側からとなる。朝日は東側にそびえる山に遮られ、池は影になってしまうため、撮影には午後の時間帯がよい。
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5. 木戸池(長野県山ノ内町・志賀高原)
志賀高原に大小点在する湖水のなかで最も人気のある撮影ポイントで、標高1600メートルに位置する。駐車場のすぐとなりが撮影ポイントなので早朝から大勢のカメラマンが三脚を立てる。カメラマンの多くは山の稜線、斜め前から差し込む光と、靄(もや)が水面を漂う幻想的な朝の光景をねらい、一喜一憂する。朝の喧騒がうそのように、夕方は人影もまばらで静けさを取り戻す。夕日が沈む瞬間、対岸のシラカンバに一瞬だけ光が差し込み、その姿を浮かび上がらせる。シラカンバの林の奥、岸辺に沿って国道292号があるので、走行している車両が写り込まないようにしたい。