
近年、犬の帽子の注文が増えていると話すのは犬の帽子屋「I.M.Gallery」の比留間友理さんだ。2012年に白内障予防を掲げて犬の帽子作りを始め、今年で6年目。当初はなかなか注文がこなかったが、昨年から注文が増え始めた。
獣医に紫外線を予防するように言われたり、ネットの口コミを見たりして購入する人が多いという。しかし、中には既に視力を失ったペットのために帽子を手に取る飼い主も。
「目が見えないと距離感がつかめず、草木に顔をぶつけてしまう犬もいますが、つばがあることでけがの防止にもなります」(比留間さん)

最近ではミックス犬など従来の犬種とは異なる犬も増えている。人間と違って耳の形や頭の大きさも多様なため、帽子のサイズを合わせるのも一苦労。実際、ラフくんに他のサイズの帽子を試着してもらうと、少し大きさが違うだけで日の光の当たり方が大きく異なることが分かる。違和感があるのか、首をブルブルする回数も増えた。
「犬にとって着心地が良くなるように何度も作り直しました。通気性や冷感性のある素材を使っているので、熱中症も防げます」と比留間さんは話す。

そして、犬の帽子に込めた思いをこう明かす。
「ファッション性にもこだわっています。どうして犬が着飾るのか不思議に思う方もいますが、そこから理由を知って、犬の紫外線対策を考えてくれるきっかけになってくれれば」(比留間さん)

■人間のため、働く犬にも暑さ対策
靴が役に立つのは日常生活だけではない。大規模災害が起きると、災害救助犬として多くの犬が現場で活躍を見せる。しかし、被災地の現場は過酷だ。とりわけ、夏場は犬の熱中症対策も課題となってくる。