「テッパチ!」は、もう頭が燃えるんじゃないかと思うくらい(笑)、考えました。この群像劇の熱量をどう伝えるか。人と人とが関わった時に生まれるエネルギーの良さを伝えるにはどうすればいいか。ずっと考えていました。僕にとって大きな支えになったのが、すてきな共演者の皆さんの存在でした。群像劇は人との関係性が作品にも出るものですが、特にそれが強かった作品だと思います。僕は主演ではありましたが、先陣を切って「ついてこい!」というタイプではないので、皆さんが一緒に現場を盛り上げてくれて、「いいものを作ろう」というエネルギーを与えてくれたおかげで、駆け抜けられたと思っています。この年になって改めて青春を送らせてもらえたなと心から感謝しています。

——レギュラー放送が始まった、教養番組「漫画家イエナガの複雑社会を超定義」では、漫画家イエナガに扮し、時事問題を解説している。

町田:毎回のテーマをただ説明するだけでなく、「なぜ今こうなっているのか」「これからどうなっていくか」ということにまで言及するので、すごく有意義な時間を過ごしています。その時代がどんな時代かをどれだけ把握しているかによって、そこに生きる人々の価値観が理解できて、お芝居に生きていると思います。極端なことを言うと、この番組で学んだことはすべて生かせていると思っているんです。

■もっと挑戦したい

——バイオグラフィーに、新たに「痛快青春エンターテインメント時代劇」が加わる。23年1月3日に放送される宮藤官九郎脚本の「いちげき」だ。

町田:「青天を衝け」をはじめ、これまで時代劇には何度か出演させていただいていて、もっと挑戦したいという気持ちがありました。また、染谷将太君と松田龍平さんなどすてきな方々との共演もかなってうれしかったです。

 脚本の宮藤さんとご一緒するのは初めてで、原作には辛辣な部分もあるので、お正月に放送する時代劇としてどう映像化するのかわくわくしていました。宮藤さんの手にかかれば、面白みや快感を入れながら、最後はすっきり終わるような作品になるのではないかと思っていたら、想像をまったく超えてくるぐらいの面白みがありました。自由度の高い一風変わった時代劇になっていると思います。

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