長年「働き方」というテーマに取り組んできた著者が、会社とうまく付き合うためのヒントを教えてくれる。

 目標は楽しく働くこと。著者はまず、会社とは何かを捉え直し、自分を見つめ直すことを勧める。そうすると、新しい見方を発見できるのだ。例えば、個人を縛る存在と否定していた会社が、安定と自由を同時に手に入れることができる場所として見えてくる。また、自分を萎縮させていた学歴コンプレックスが、妄想に過ぎなかったことに気付くことができる。このような気付きが、会社と私たちの関係を前向きにさせてくれることは間違いない。

 職場の嫌いな人との付き合い方、上司に不満がある時の対処法など、実際会社で起こり得る問題への助言も充実で、新社会人は無論、働き方を悩んでいる現役にもぜひ読んでほしい一冊だ。

週刊朝日  2018年4月20日号