人は誰でも風邪をひく。しかし、いつもピンピンしている人がいる。彼らには「早期発見・即対処」という共通点がある。風邪をひきそうになっても悪化させないから、周囲から「風邪をひいているように見えない」のだ。では、彼らはいつ、何をしているのか?
本記事では、現役の内科医、救急救命医、薬剤師などの知見と医療統計データ、150近くの最新の医学研究論文や文献を総動員し、「医学的に正しい風邪対策」を紹介する裴英洙氏の話題の新刊『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?MBA医師が教える本当に正しい予防と対策33』から、内容の一部を特別公開する。(構成:今野良介)
●「タオルの選び方」で風邪の感染リスクはこんなに違う
クライアント先、よく利用する駅、商業ビルやホテル、空港、コンビニ……。私は、よく行く範囲内に、「どのようなトイレがあるか?」を把握しています。「そのトイレにどんなタオルがあるのか?」を知っておくためです。
トイレに設置されたタオルは、通常、次の3タイプに分かれます。
(1)備え付けの布タオル
(2)ジェット式の送風タオル
(3)使い捨てペーパータオル
実は、手洗いをした後に「どのタイプのタオルを使用するか」で、風邪予防の効果は大きく左右されます。
(1)備え付けの布タオル
個人経営の飲食店などでは、備え付けの布タオルがかかっている場合があります。いつ洗ったか、誰が使ったかわからないタオルは、ウイルス残存リスクが高いです。
また、濡れている場合は、ウイルスの生存期間が延びている可能性もあります。私は、備え付けのタオルは絶対に使用しません。
最近はあまり見かけなくなりましたが、引っ張って使う「巻き取り式」のタオルもあります。これも、巻き取り部分の中で、ウイルスが増殖している可能性が否定できません。
あなたがポケットに入れて持参しているハンカチも、外気に触れやすくなりますし、一度使って濡れたハンカチをポケットに戻すとウイルスが増殖する可能性もありますから、おすすめできません。とくに、他人とのハンカチの貸し借りは避けましょう。