<「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日>。歌人の俵万智さんがそう詠んで35年。その後も「記念日」は増える一方だ。語呂合わせにうなる日もあれば、思わず考え込むものも。「ナニソレ記念日」を集めた。
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京都・清水寺で発表された「今年の漢字」は「戦」だった。森清範(せいはん)貫主が縦1.5メートル、横1.3メートルの和紙に文字を書き上げた。
日本漢字能力検定協会(京都市東山区)が、その年の世相を表す漢字を全国から募り、最も選んだ人が多かったものを、「いいじいちじ」と読む12月12日の「漢字の日」に発表している。1995年に始まり、今や師走の風物詩となった。
この「漢字の日」の盛り上げに一役買ったのが一般社団法人「日本記念日協会」だ。
91年に設立され、企業や団体などの申請にもとづき記念日を認定、登録している(登録料は1件で税別15万円)。これまで認定した日は2500件以上で、協会のホームページで検索できる(https://www.kinenbi.gr.jp/)。日付との語呂合わせや、商品の発売日や会社の創業日などに合わせ決めているものが多いという。
登録は2020年の149件に対し、21年は204件、22年も210件(12月14日時点)とコロナ後は増えている。代表理事の加瀬清志さんは「対面での営業活動が制限される中、商品やサービスのアピールにつながる点が改めて見直されたようです。同業他社や他業種の例をみて、『やってみよう』と考える企業や団体も多くなった。業種や地域的な広がりも目立ちます」と話す。
食品や菓子メーカーは、一社で複数の記念日を定めるなど以前から積極的。最近はゲームの開発会社や、漫画やアニメ、映画、芸能人、各地で人気の商品に関するものなど、より多彩になっている。
「社会課題や病気、健康問題についての啓発や呼びかけといった、特定のテーマをより多くの人に知ってもらう目的で登録するところも増えています」(加瀬さん)