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 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「札幌冬季五輪のキャスティング」について。

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 星屑スキャット(女装3人組のグループ)のクリスマスディナーショーで札幌へ行ってきました。場所はロイトン札幌というホテル。ディナーショーは、通常のコンサートとは仕組みが違い、基本的に券売(チケットの予約)の主導権がホテル側にあります。もちろんアーティスト側の集客力も影響しますが、特にこのシーズンは「ウチはこのラインナップでいきます!」的な気概で地元プロモーターや放送局と力を合わせて毎年勝負に挑むわけです。

 ちなみに、私たちの翌日はなんとIKKOさんという、かなりアグレッシブなブッキングを敢行したロイトン札幌でしたが、見事両日(しかも平日)ともに満席にしてくれました。まさに「どんだけ~!」な強者ホテルです。

 さて、札幌と言えば2030年の冬季オリンピック・パラリンピック招致へ向けて盛り上がっている最中でもあります。東京在住の私にとっては、いまだに「ようやく終わった」という印象が強い五輪ですが、現地札幌はそれなりに「8年後」への熱量も日に日に高まっている様子。そうなると俄然楽しくなるのが、「開会式・閉会式で、誰が歌ったり踊ったりするのか?」という妄想。今回もすすきのにあるゲイバーで、ひとしきり「札幌冬季五輪・キャスティング妄想話」に花が咲きました。

 札幌に限らず北海道は、多くの大物歌手を輩出してきた土地です。御大・北島三郎さんを始め、細川たかしさん、中島みゆきさん、松山千春さん、玉置浩二さん、吉田美和さん、GLAYなど、今も現役バリバリの国民的シンガーが揃っています。「8年後」という時間的条件を加味しても、玉置浩二・吉田美和ラインはまだまだ現実的ではないでしょうか? もう少し若めでインターナショナルなところだと、サカナクションの皆さんも5人中4人が北海道出身。こちらは各種代理店の受けが抜群に良さそうです。

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