望んでいたのは、結婚して子どもを持ち、マイホームを買って妻が子育てに専念し、自分はバリバリ仕事を頑張る姿。そして子どもが巣立ったら、夫婦2人でゆったりと老後を過ごす。そんな、ひと昔前だったら普通だった生活ができなくなっていることに、40代、50代になってから初めて気付いて愕然とする人が多いのです。

 他の世代を見ると、20代、30代では、結婚もしないし、子どもも持たない、家も買わずに親元に住むという身軽な人が増えています。いっぽう60代、70代は、年金も社会保障も逃げ切り世代。しかも、意外としっかり貯金しています。

 こうした世代に挟まれて、身動きできない人が多いのが、今の40代、50代です。

「老後破産が怖い」と言いますが、実はもっと怖いのは、老後になる前の40代、50代で破産する「老前破産」。老後になる前に、にっちもさっちも行かなくなってしまうのです。
 しかも、今の40代、50代がおかれている環境は、今後、ますます厳しいものになることが予想されます。

 安倍政権の「働き方改革」では、過労死ラインまでは働かせてもいいことになりそうです。しかも、「残業代ゼロ」の働き方も容認され、サービス残業も増えそうです。困るのは、残業が減るのはいいですが、そのぶん給料も減ること。政府の試算でも4~5兆円、民間シンクタンクの試算では8.5兆円も残業代が減るとのことですから、年間で10~20万円の給与ダウンは覚悟しなくてはならないかもしれません。

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