とはいえ、「さあ、今日から私は絶対に怒らないぞ」と決意したところで、うまくいくはずもありません。なぜなら、人間は感情の生き物ですし、怒りもまた生きることの一部だからです。

 それならば、怒りの感情と上手につき合い、必要以上に怒らなければいいのです。

 では、そのためにどうしたらいいか。

 まず、怒りの原因を突き止め、自分がどうして怒っているかを知るのが第一歩です。

 具体的には、「謝ってくると思ったのに、無視されたから腹が立った」「自分の言い分が正しいのに、相手がそれを理解しなかったから頭に来た」と自己分析できれば、相手に過度な期待を持たないようにするとか、「~すべきである」という考えを「~してくれたらいい」にシフトするなどの対処法が見つかります。「なんだかわからないけれど、無性に腹が立った」という状態が最もよくないのです。

 また、脳の老化が怒りをコントロールしにくくしているのですから、脳を若返らせればいいのです。幸い、人間の脳は回復力に富んでおり、たとえ年齢を重ねても新たな脳細胞を育てられます。本書には、その方法を幾通りも紹介しています。

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