●「同僚とわたし」の末路とは?

 マットの能力が際立つようにと助けている自分を誇らしく思っていたし、彼をないがしろにする気はこれっぽっちもなかった──なのに今は、彼への信頼がゼロになりました。

 マットはうなだれたままオフィスから出ていったのです。

 マットの野心が衰えるはずはないと思いましたが、わたしはそのときからあまり彼にスポットライトが当たらないようにしました。

 マット抜きでプレゼンテーションを行ったり、彼が欠席した状態で会議を開いたり。パートナーというよりは部下扱いしました。

 意外でもなかったけれど、間もなくマットは退職し、創業したばかりの会社で高い役職に就いたのです。

●『社内政治マニュアル』で学べる「隠れたルール」とは?

 どんな組織にも政治的なドラマというものが存在する。

 つまり、個人的なぶつかり合いだの、さまざまな課題についての対立だのが起こり、なわばり争いが盛んに発生するのだ。おとなしく耐え忍んで仕事を成し遂げようとしていたら、きっと頭がおかしくなってしまうだろう。

 問題は、黙ってうつむいているわけにはいかないことだ。組織や自分のキャリアのためには、たとえ困難であっても、生産的に同僚と働かなければならない。

 では、暗黒側に足を踏み入れずにうまく立ちまわるにはどうしたらいいのだろう?

 権力の力学や言葉にされないルールの存在を認めることだ――そして、そういうものにポジティブに向き合っていくことである。「政治」とは決して悪い言葉ではない。人から権力を横取りしたり、社内でがつがつ出世しようとしたりしなくても、仕事で成功できる。

 この本には、専門家のこんなアドバイスが出てくる。

(1)つき合いにくい人々と「うまく人間関係を築く方法」
(2)味方を増やして、「まわりに影響を与える方法」
(3)骨が折れるけれども、「実り多い話し合いに取り組む方法」
(4)必要なリソースを「まんまと手に入れる方法」
(5)人の恨みを買わずに「出世する方法」
(6)上司のペットになった社員と「上手につき合う方法」
(7)社内のいじめっ子や派閥に「立ち向かう方法」
(8)ここぞというときには「自分の功績を強調する方法」
(9)権力闘争やつまらない競争を「避ける方法」
(10)対抗意識を持っている同僚たちと「結託する方法」

 本書で学べるこの10のノウハウが、あなたのビジネスの最高のスキルになるはずだ。