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●意欲作・異色作に活発な議論

 今月は各ジャンルで意欲的な企画や異色の作品が数多くみられ、賛否も含め活発な議論が交わされた。

 ドキュメンタリーで月間賞に選ばれたのは、「沖ノ島~藤原新也が見た祈りの原点~」(九州朝日放送)。今年7月に世界文化遺産に登録された神宿る島・沖ノ島を写真家の藤原新也が訪ね、丹念な取材と独自の映像美を通して多角的に島の歴史や神秘性に迫ったことが評価された。また「体感ドキュメント 日本の異国にホームステイ!~フィリピン人街@名古屋栄~」(NHK)も月間賞に。若手芸人が日本の外国人コミュニティに潜入し、そこで暮らす外国人たちの素顔や本音を引き出した異色のドキュメントとして評価された。このほかディレクターが自らの家族を取材、障がい者を介助する家族の本音に迫ったETV特集「亜由未が教えてくれたこと」(NHK Eテレ)については、小泉委員が私評で取り上げているのでお読みいただきたい。

 番組の評価が分かれたのは、AIを駆使して日本の社会問題の解決に迫ったNHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」。問題提起型の番組開発として評価する一方、データの扱い方などに疑問ありとする意見も出され論議を呼んだ。詳しくは岩根委員が私評で考察している(各委員の私評は『GALAC』10月号に掲載)。

 ドラマで最も注目が集まったのは、「ゆとりですがなにか 純米吟醸純情編」(日本テレビ)。昨年度ギャラクシー賞選奨にも選ばれ話題となった連続ドラマのスペシャル版で、今回は前後編2回にわたって放送された。若者たちの一年後の姿を描いた脚本、演出や俳優陣の好演に多くの支持が集まり月間賞受賞となった。このほかドラマは7月から多くの新シリーズがスタートしたが、このうち土曜ドラマ24「居酒屋ふじ」(テレビ東京)、日曜劇場「ごめん、愛してる」(TBSテレビ)、金曜ドラマ「ハロー張りネズミ」(TBSテレビ)などが好評だったほか、「過保護のカホコ」(日本テレビ)や「コード・ブルー」(フジテレビ)も話題にのぼるなど、いずれのシリーズも今後の展開が楽しみだとの声が多かった。

 バラエティでは、関ジャニ∞のメンバーが芝居のト書きに従って即興芝居にチャレンジした「関ジャニ∞クロニクル~TOGAKI HOUSE~」(フジテレビ)が見応えのあるアイドルバラエティとして評価され月間賞に。また「LOVE LOVE あいしてる 16年ぶりの復活SP」(フジテレビ)は、2001年以来久しぶりに当時の出演者たちが集結したスペシャル版音楽バラエティとして話題を集めた。(出田幸彦)

※『GALAC(ぎゃらく) 10月号』より