「ただ普通に曲数の多いアルバムを出しても面白くないというのもありましたし、いろんな方に曲を書いていただいたんで、ちょっとでも興味を持ってくれた人に、1枚1100円という手に取ってもらいやすい値段で出したいというのもありました。そのかわり、5枚ぶんの作業の量がハンパじゃなくて(笑)。物理的に時間が全然足りなくて、締め切りギリギリの日にもエンジニアさんに、ここをもう少しこうしてくださいとお願いしたりして、なんとか形にすることができました。間に合いました(笑)」
室井さんは、グデイの活動のほか、昨年末からメンバーとしては参加しないアイドルグループ「ねおち」のプロデューサーとしての活動も始めている。事務所を持たないスタイルのうえ地方出身のメンバーもいるため、保護者に心配されないようにすることも大事な役割だ。以前に在籍していたグループで未成年のメンバーの四国の実家まで挨拶に行ったときには、
「ひとりでリュックしょって行ったら、想像以上に不安がられました(笑)。いちおう自分の持っている中で一番暗くて落ち着いた服を着ていったんですけど(笑)」
自分自身もアイドルになるときに親に大反対された経験があるため、常に保護者と連絡をとれるようにするなど、不安を解消することにつとめるようにしているという。
自分がメンバーでないことで、プロデューサーとしての大変さも学んでいる。
「自分がメンバーだったら、その場に常にいることができますが、グデイなど自分の別の仕事ももちろんあるので、その調整が大変ですし、メンバーとのコミュニケーションをとる時間も設けないといけない。今日体調悪そうだな、何かいいことあったのかなと、それぞれの様子も確認したり。個人面談も大事にしています。悩みや個人でやりたいことがないか、あればできるだけかなえてあげたいですし」
そこは衝動とは真逆の一面だ。
自身のグデイでの活動と、ねおちのプロデュースで忙しい日々だが、
「セルフって、誰かが動かしてくれるものではないので、とにかく自分が動かないとダメなんですよ。なんでもとにかくやってみる、動いてみるという気持ちでいつもやっています」
そして、キラキラした笑顔でさらなる野望を語る。
「もうひとつ、別の雰囲気をもつグループを作ってみたいなという気持ちもあります」
室井の衝動、誰にもブレーキはかけられないかもしれない。
太田サトル