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 明石家さんまと木村拓哉の「さんタク」。2003年にスタートした正月恒例の特番だが、今年は3カ月遅れの放送となった。といっても、正月用に収録したものを今まで温存していたわけではなく、この時期の放送に合わせて、新録されたものだ。

 なぜ延期になったのかというのは、オープニングトークでさんまが説明していた。いわく、「年末にSMAPが解散して、翌日に木村が陽気に喋るのはおかしい」と。番組スタッフとさんまが忖度した結果、延期を決めたという。なのに、当の木村がTBSの番組でハジけていたのを、どういうことや、と咎め、「スタッフに謝って」と迫る場面も。

 そんなこんなで番組はスタート。毎年2人がさまざまなことに挑戦したり、対決したりするのがウリで、そのテーマを決めるまでのくだりも楽しかったのに、今年は、木村がさんまの1日付き人になるとあっけなく決定した。

 ゴルフの練習場、ラジオの収録、テレビの収録に付き合い、最後は合コンに参加。この合コン部分が見るに堪えない代物だった。

 男性はさんまと木村のほか2名、女性はダレノガレ明美、紅蘭ほか2名、4対4で合コンする様子をダラダラと約30分も流すのだからもう我慢がならない。タレントの合コンを見せれば、視聴者が有難がるとでも思っているのだろうか。だとすればなんという傲慢、なんという勘違い。

 ついでに言うなら、この合コン、喫煙者率が高く、密室のせいか煙が充満し、画面が煙いったらない。いまどきテレビでこんなに煙草を吸うところを見せるのは珍しい。JTの一社提供かと思うほどだった。「健康のため、吸い過ぎに注意しましょう」のテロップを出せばよかったのに(笑)。

 最後は、お互いが主演したかつてのヒットドラマ、「男女7人夏物語」と「ロングバケーション」のロケ地をたどる聖地巡礼を行った。どちらも、隅田川にかかる橋が舞台になっており、船中で当時の思い出やドラマの裏話などをして、唯一、ここだけはよかった。ドラマを見ていた視聴者にとっても懐かしく、2人と一緒に懐かしめるから。合コンなどやらず、いろんなロケ地めぐりをしたほうがよっぽど楽しめたのに。

 おせち料理はお正月に食べるから美味しい。同じくおせち番組もお屠蘇気分だから楽しめるのかもしれない。待ちに待った「さんタク」なのに、いざ3カ月遅れで出されたらちっとも箸が進まないんですけど、ということで、今月のダラクシー賞を贈呈する。

※『GALAC(ぎゃらく) 6月号』より

桧山珠美(ひやま・たまみ)/誕生日に母から巣鴨の赤パンツをプレゼントされました。色気より健康。そんな年頃です。