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●「コーヒーを飲むと眠れなくなる」は本当

 カフェインは神経系に強い影響を与える刺激物だ。神経系がクリスマスツリーのように点灯すれば、上質な睡眠はとても得られない。とはいえ、コーヒーを好む人はとても多い。

 学術誌『ジャーナル・オブ・クリニカル・スリープ・メディスン』に、カフェインが睡眠に及ぼす影響についての重大な見解が掲載されていた。
「仕事を終えた帰り道にマグカップ1杯のコーヒーを飲むと、睡眠に悪影響が生まれ、その影響力は寝る前にカフェインを摂取する場合と同等と思われる」

 その実験では、複数の被験者に異なるタイミング(寝る間際、寝る3時間前、寝る6時間前)でカフェインを摂取させた。すると、全員の睡眠が大幅に阻害されたことがはっきりと数値に表れたという。要するに、寝る直前はおろか、寝る6時間前であっても、カフェインを含むコーヒーやお茶を飲めば睡眠が阻害されることが明らかになったのだ。

 寝不足の悪循環は、まさにこのようにして始まる。カフェインのせいで十分な睡眠がとれなければ、目覚めても疲れがとれていない。疲れがとれていなければ、これまで以上にカフェインが欲しくなる。カフェインの量を増やせば、睡眠の質と量はさらに悪化する、というわけだ。

 カフェインには二つの特徴がある。一つは、コーヒーや紅茶、チョコレートなど、カフェインが含まれているものは総じて美味しいこと。そしてもう一つは、人体との親和性が高いことだ。カフェインを摂取すると、身体も心も状態が上向きになる。だからこそ、中毒性があるのだ。

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