活躍の場を求めて移籍した捕手たち

 過去にも出場機会を求めた捕手が、他球団に移籍したケースはある。横浜(現DeNA)の谷繁元信が01年オフに中日FA移籍すると、それまで中日の不動の正捕手として活躍していた中村武志が出場機会を求めてトレードを志願。横浜に金銭トレードで移籍した。炭谷銀仁朗(現西武)も、巨人に在籍していた21年のシーズン途中に出場機会を求め、金銭トレードで楽天に移籍した。22年オフには森友哉が西武からオリックスにFA移籍した際、オリックスでの出場機会減少を見込んだ伏見寅威が日本ハムにFA移籍している。

阪神は選手の意思を尊重して移籍やポスティングシステムの利用を認めてきたチームですが、梅野は将来の幹部候補です。出場機会を求めた場合、話し合いを重ねて慰留するでしょう」(関西の民放テレビ関係者)

 出場機会が減少したとはいえ、今季は開幕から一度もファームに降格せず、1軍に座っている。「坂本がアクシデントに見舞われても、梅野が控えている」という信頼感が首脳陣にあることは間違いない。正捕手の座を離れた梅野は、その役割でベストを尽くす道を選ぶか。それともFA権を行使して、新たな環境での挑戦を目指すだろうか。

(ライター・今川秀悟)

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