就職活動にもAIが活用されるようになってきた(写真はイメージ/gettyimages)
就職活動にもAIが活用されるようになってきた(写真はイメージ/gettyimages)
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 生成AIは急速に進化し、私たちの生活に入り込むようになった。就職活動についても例外ではないようだ。

【写真】就活にAIを生かす5つのルール

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大学のスタンスが変わってきた

「生成AIに対する大学のスタンスが、昨年ごろから変わってきました」

 人材情報会社・学情で大学への営業を担当しているキャリアサポート部の萩原聡士さんはそう語る。以前は「学生はなるべく、生成AIは使わないほうがいい」というスタンスの大学がほとんどだったが、昨年ごろからAIの進化、浸透にともなって、「学生が生成AIを使うことをとめられないので、使うなら上手に使ってもらいたい」と考える大学が増えてきたという。そのため萩原さんは今年に入って 、学生向けにチャットGPTなどの生成AIを活用する方法を授業や講演で解説するようになった。

「生成AIは自己分析や企業研究、エントリーシート(ES)の作成、面接の練習など、就職活動のあらゆる局面で活用可能です。一方で、生成AIには苦手なこともあり、得意な分野、不得意な分野を把握することで、よりよい活用が可能になります」(萩原さん)

 現在は多くの学生が使っていることから、チャットGPTに絞って情報提供をしているという。

生成AIは言語の扱いに長けている

 生成AIは言語を扱うことがうまい。そのため質疑応答、対話、文章の作成、要約といった作業で威力を発揮する。情報の要約が得意で、企業研究での効果は大きい。例えば上場企業の有価証券報告書を読み込ませ、「会社の強みと弱みを教えてください」とプロンプト(AIに対する指示の文章)を入力すると、効率的に企業情報をチェックできる。同業他社との比較も短時間で行える。

ただし、リアルタイムの情報検索には注意が必要だ。「2025年7月現在のデータ」など時期を指定しなければ、古いデータをそのまま出してくることがある。社長が代わっていることも起こりえるため、会社のウェブサイトなどで情報をチェックすることは欠かせない。

「会社の面接官も、学生が把握しているデータの古さを見て『生成AIを使っている』と見抜くことができるといいます」(萩原さん)

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