人材情報会社・学情で大学への営業を担当しているキャリアサポート部の萩原聡士さん
人材情報会社・学情で大学への営業を担当しているキャリアサポート部の萩原聡士さん

AIに「あなたは面接官です」

「あなたは以下の企業の、1次面接の面接官です。あなたの企業が求める学生か判断に必要な質問と質問の意図を10個作成してください。

・企業名:“朝日新聞出版”
・企業の採用URL:“(URL)”」

 ポイントは質問の「意図」を出してもらうことだ。これにより、より的確な回答を考えることが可能になる。

 また、自分の長所とメインエピソードを打ち込み、それを踏まえた質問を作成してもらう方法もある。最終面接の相手になってもらう場合は、例えば下記のようなプロンプトを打ち込む。

「あなたは以下の企業の、最終面接の面接官です。これからあなたは私に様々な質問をして、私を採用するか判断してください。

#企業
・企業名:“朝日新聞出版”
・採用URL:“URL”

#面接のルール
・面接先の企業に沿った質問にしてください
・質問回数は最大10回までにしてください
・質問は1回で一つまで、複数質問がしたい場合は分割して聞いてください」

実際に質疑応答を重ねることで、本番に近い練習ができる。

60点のものを100点にはできない

 一方で、生成AIはもとになる情報を言語化してインプットしない限り、何も生み出してはくれないことに注意が必要だ。萩原さんは「100点のものは120点にはできないし、60点のものを100点にすることもできない、と学生に伝えています」という。自己PRを作成する際も、これまでの経験やエピソードの棚卸し、自己分析については自分で深めておき、文章を作るための材料を準備する必要がある。また、生成AIは「わかりやすい表現で文章を作ってくれる半面、文章に感情や思い入れを込めることが苦手」。出てきた文章をそのまま使うのではなく、感情を込めて自分の言葉に書き直すことが重要だ。

「そうしないと、面接でつっこまれたときにボロが出てきます」(萩原さん)

AIはあくまで補助ツール

 生成AIを使う際の注意事項として、萩原さんは以下の5点を挙げる。

・情報の信憑性を見極める
・オリジナリティーを大切にする
・ウソは書かない
・個人情報や機密情報は書かない
・授業やゼミで使わない

「生成AIはあくまで、補助ツールです。生成AIは入れた情報以上のものは作り出してくれません。自分でしっかり自己分析を行い、ESも最初は自分で書くなどして、AIがよりサポートしやすくなるようにがんばってください」(萩原さん)

(Re就活キャンパス編集長・福井洋平)

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