キツイときに作った
――そして、最後に数多ある曲の中から、「自分のテーマソング」を選んでもらった。
高見沢:「SWEAT & TEARS」。自分がちょっとキツイときに作った曲で、自分を励ましたいというか、そういう気持ちだったので、みなさんに支持されているのはうれしいですね。ツアーではやらなかったことはない。バンド名に“THE”という定冠詞を付けたのがこの曲からで、節目の時の楽曲でもあるので、思い入れのある曲のひとつです。ジャケットもスタジオで撮影したのではなくライブ写真だったんですよね。
坂崎:「My Truth」。日本のメッセージフォークが好きだったから、高見沢も意識して作ってくれたと思うんですけど、意外と内面的なメッセージが多いんですよ。「SWEAT & TEARS」みたいな外へのメッセージではなく、内省的な曲が多いから。「My Truth」とか「Journeyman」とか「ひとりぼっちのPretender」とか、メッセージ性の強いものが、自分に合っているなと思います。
高見沢:等身大という意味では、「Musician」も坂崎に合っていると思う。ギターに関してミュージシャンシップも高かったし、プロになる意識が一番強かったのが坂崎。俺も桜井も全然ダメでしたからね(笑)。坂崎に引っ張られてプロになったようなものですから。
――では、桜井さんの「テーマソング」は?
桜井:そうですね……(無言)。
高見沢:この人、歌、知らないんですよ。
坂崎:そう、忘れちゃうんですよね。この間の春ツアーも忘れちゃって。
桜井:春ツアーは覚えてるよ!
高見沢:テーマソングが出てこないのは、タイトルがわからないから……。
坂崎:たくさんあるからね、「なんだっけな、あの曲」って。桜井さんの等身大の曲は「さすらい酒」じゃないですか。
桜井:はははははは。
高見沢:3人でイントロクイズやったら、桜井はゼロ解答ですよ。
桜井:おまえらが早いからさぁ!
高見沢:一回押してから考えればいいじゃん。
――3人のトークは止まらない。音楽が好き、ハプニングも含めてライブが好き、そしてファンに音楽を届けることが好き。それはいまもこの先も、きっと変わらないだろうことが伝わってきた。
(編集部・太田裕子)
※AERA 2025年8月11日-8月18日合併号
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