最も有名なホテル「マリーナベイ・サンズ」(花輪さん提供)
最も有名なホテル「マリーナベイ・サンズ」(花輪さん提供)

 では、最も負担の大きい住まいはどうなのか? 外国人が好んで住んでいるのはセキュリティーも整ったコンドミニアムタイプの住宅で、プールやジム、バーベキューピットなどの豪華な施設が完備されている物件も多いとのこと。ただ、「コンドミニアムの場合は安くても月々30万円以上の家賃がかかるのが一般的で、日本人が多く住むエリアでは40万円前後の物件も多い」という。

 家賃は高いものの、光熱費や通信費、さらには公共交通機関の料金は日本と比べてかなり割安だと花輪さん。

「暑い国なので、我が家では5台のエアコンが年中フル稼働ですが、それでも光熱費の合計は月々2万円程度にとどまっています。通信費は更に割安で、3社の割引競争が熾烈化していることから、かけ放題なのに月々1千円台からあります」

 単なる旅行ではなく移住となれば、病気やケガのこともきちんと考えておく必要があり、出費面では医療費にも注意を払いたい。シンガポールの医療は自由診療制で、全額自己負担であるうえ、医療機関によって同じ治療内容でも費用が大きく異なってくるのだ。

「多くの医師は患者が外国人だと海外旅行保険に入っていることを前提にビジネスをするので、風邪で薬を処方してもらっただけでも数万円の医療費を請求されるケースもあります。その点、ローカルの政府系病院の医療費は比較的リーズナブルで、私の娘が幼児期に高熱を出して緊急外来を利用した際にも1万円程度ですみました。ただし、ドクターとのやりとりは英語で医療用語も出てくるので、相応の語学力が求められてきます」

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