チャイナタウン周辺(花輪さん提供)
チャイナタウン周辺(花輪さん提供)

 一方、語学力に自信のない人はその点が移住のネックとなってきそうだが、シンガポールの場合はそこまで気にする必要がないと花輪さんは語る。

「語学力に関しては、米国に移住するケースと比べればハードルが低いと言えるでしょう。単語を並べるだけの片言英語でも通じることが少なくありませんし、日本語⇔英語を通訳できる人材も多く、そういった方々を雇っている富裕層もいます」

 海外への移住において大きな関心事となるのは衣食住だが、年間を通じてシンガポールの最高気温は30度前後、最低気温は25度前後で、季節による変動はほとんどないため、衣替えの必要がない。食については、高級食材から庶民的なものまで、非常に価格帯が幅広いという。

「日本米は5キロ4千円前後の値がついて物価高騰中の日本と変わらない水準ですが、こだわらなければジャスミンライス(インディカ米)などを非常に安値で購入できます。現地の人々向けのウェットマーケット(生鮮食料品を取り扱う市場)を利用すると経済的です。日本で言えば上野の『アメ横』のような雰囲気で、卵が10個で250円前後といったように庶民的な価格です」

 外食については、10%のサービスチャージと9%の消費税が加算されることもあり、レストランの利用は日本と同等以上になってしまうとか。もっとも、フードコートや屋台などの庶民的な店では1千円前後で存分に食べられるという。

「シンガポールの場合、お酒はアルコール度数に応じて税額が高くなります。ビールはさほど変わりませんが、ワインや焼酎、ウイスキーなどのアルコール度数が高い酒類は、日本と比べて割高になることがほとんどです」

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