熾烈な首位争いを演じる日本ハムは目立った補強なし…(写真提供・日刊スポーツ)
熾烈な首位争いを演じる日本ハムは目立った補強なし…(写真提供・日刊スポーツ)
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 7月31日でプロ野球のシーズン中における補強が可能な期間は終了した。この時期、メジャーでは毎年のように駆け込みで多くのトレードが成立するが、NPBは今年に関しては比較的動きが少なかった印象を受ける。

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 もう少しトレードなど、補強に動いても良かった球団としてはどこが挙げられるのだろうか。チーム事情などから探ってみたいと思う。

 まず挙げたいのがパ・リーグで優勝争いを演じている日本ハムだ。シーズンに入ってからの動きは5月に孫易磊、7月に宮内春輝という2人の投手を育成選手から支配下昇格しただけと、かなり静かな動きに終わった。

 特に気になるのがリリーフ投手だ。救援防御率はリーグでもトップの数字をマークしているが、これは先発投手の完投数が圧倒的に多いことも影響しているように見える。

 抑えの田中正義に絶対的な安定感がなく、代わりを務めることも多い柳川大晟も高卒4年目とまだまだ若く、昨シーズンも終盤に疲れが見えたことを考えるとフル回転での起用は難しい。新庄剛志監督からもトレードでの補強をほのめかせるような発言が聞かれることもあった。

 野手の層も厚く、捕手や二遊間を守れる選手など他球団からニーズが高そうな選手もいるだけに、ソフトバンクとのマッチレースを何とか制するためにもブルペン陣の補強に動いても良かったのではないだろうか。

 パ・リーグでもう1球団挙げたいのが西武だ。圧倒的な最下位だった昨年とは違い、今年は開幕から上位争いを演じてきたが、7月に大きく負け越してAクラス入りが苦しくなっている。

 打線強化のために新外国人のJ.D.デービスを補強したが、トレードでは逆に山野辺翔をヤクルトへ、佐藤龍世を中日へと放出しており、それ以外の補強は育成選手の支配下昇格だけだ。二軍で成績を残していた仲三河優太が怪我で長期離脱となったことは不運だったが、後半戦に巻き返すための戦力は不足している。

 昨年もシーズン開幕後に松原聖弥を獲得しているが、今季の一軍出場は4月の8試合のみと、逆に放出した若林楽人の方が巨人で戦力となっており、トレードがあまり機能していないのも気になるところだ。

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