
日本球界復帰なら争奪戦か
前田は残り35勝に迫っている日米通算200勝の大記録達成を、日本のファンの前で実現したいという思いをメディアで明かしている。37歳という年齢を考えると、メジャーに再び昇格できるかどうかにかかわらず、来年は日本球界復帰の可能性が高い。
メジャーリーガーの代理人はこう語る。
「ヤンキースが、メジャー昇格のラストチャンスになるでしょう。でも、日本では先発で十分に投げられると思いますよ。23、24年と2年連続で、メジャーでの投球回数は100イニングを超えています。救援に配置転換されて調整法が難しかった部分もあったと思いますが、直球の球威を取り戻しているので、先発でシーズンを回れば2ケタは十分に勝てます」
米国でプレーした選手はマイナー契約であっても日本球界で需要がある。今年7月にはマリナーズ傘下3Aを自由契約になった藤浪晋太郎がDeNAに、フィリーズ傘下のマイナーから自由契約となった青柳晃洋がヤクルトに入団している。
前田が日米で残した実績は申し分ない。広島では3度の最優秀防御率、2度の最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得し、6年連続2ケタ勝利をマーク。球界を代表するエースとして13年のWBCに出場している。米国でもドジャースで16年に16勝を挙げるなどメジャー通算68勝を積み上げた。日本球界復帰なら複数球団がオファーに乗り出しそうだ。
「絶対的エースという位置づけとしては厳しいかもしれませんが、先発の3、4番手で十分に戦力になる。ヤクルトは先発のコマ不足が長年の課題になっていますし、巨人はエースの戸郷翔征が安定感を欠き、井上温大、西舘勇陽と期待の若手たちがピリッとせずファームで調整しています。DeNAもジャクソン、ケイ、バウアーの来年の契約が不透明です。いずれの球団も獲得を検討する可能性が考えられます」(スポーツ紙記者)
広島は若返りに舵を切る可能性があるが…
古巣の広島はどうだろうか。スポーツ紙記者はこう語る。
「前田は広島の後輩たちの活躍を気にしていますし、球団への愛着が強い。ただ、広島は昨年5位に終わったのに続き、今年も7月に失速して厳しい戦いが続いているため、新井貴浩監督の契約延長が不透明です。来季からチームを再建するとなれば、若返りに舵を切る可能性があります」