みずほは楽天グループとの関係強化しか選択肢がなかった?
SMFGがSBIHDやソフトバンクと手を結んだことに関し、金融コンサルティング会社のマリブジャパン代表取締役で、事業構想大学院大学の特任教授でもある高橋克英さんは次のような見解を示す。
「ソフトバンクとSBIHDはどちらもみずほ銀行がメインバンクで、楽天グループも然りです。SMFGはSBIHDやソフトバンクと手を組むことによって、そういった関係にクサビを打ち込んでいるとも受け取られます。『Olive』で先行するSMFGや『エムット』という対抗サービスを打ち出したMUFGと比べて動きが遅くなりがちなみずほフィナンシャルグループ(MFG)としては、楽天グループとの関係性の強化しか、他に打つ手が残っていなかったのかもしれません」
MFG傘下のみずほ証券はすでに22年の時点で楽天証券の株式を約2割取得し、資本業務提携を結んでいた。23年12月には追加出資を実施し、出資比率を49%にまで引き上げている。さらに、24年11月にはMFG自らが楽天カードに14.99%の出資を行うことで合意し、協業の第1弾として同年12月から楽天ポイントが貯まるみずほ楽天カードの発行を始めた。
楽天グループ側からすれば、これらの出資はモバイル事業の苦戦がもたらした財務の悪化を改善するためのものであるとの意味合いが強い。とはいえ、みずほ証券にとってもNISA口座の獲得でトップに立つ楽天証券とタッグを組むメリットは大きく、24年4月には共同出資で設立したMiRaIウェルス・パートナーズがIFA(独立系資産アドバイザー)による金融商品仲介業をスタートさせている。
すでに“ポイ活”を実践している人の大半は、自分が利用することが多いポイント経済圏にターゲットを絞っていることだろう。最低限、その経済圏に属している各社の動向については、日頃から関心を持っておきたい。
(金融ジャーナリスト・大西洋平)
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