
――カナダの高校に留学しましたね。
小学生のときから、海外のアーティスト、映画への憧れが強かったんですよね。海外の授賞式って、スピーチで政治的な主張を発信したりするじゃないですか。自分の意見を主張する姿を見て、私もこうなりたいと幼心に感じていました。家庭環境も影響していたと思います。父も母もいろいろな方に囲まれて仕事をしている。芸能人の方やスタッフの方たちは両親に気を使うんですよ。父親が席を立つと、みなさんもすぐに席を立って見送る。当時の私は「なんで、お父さんを特別扱いするんだろ」って違和感があって。父が帰ると、みなさんがほっとした顔をするのを見て、こういう大人にはなりたくないと(笑)。今だったら理解できるんです。目上の人に気を使った振る舞いは大事ですし、私もそういった行動をする。でも当時は幼かったので(笑)。私は主張を突き通す人間になりたいから、海外に行きたいと。迷いはなかったですね。
また違った人間だっただろうなと
――カナダで過ごした3年間はいかがでしたか?
メチャメチャ楽しかったです。環境や文化、言葉が違う場所に住んで、誰も両親のことを知らない。その世界が生きやすかった。教育の違いも感じました。先生に「あなたはどう思う?」とよく聞かれたのが印象的でした。生徒たちはみんな自分の意見を持っている。私はもともとシャイな性格で人としゃべるのが得意でなかったんですけど、そんなこと言っていられない(笑)。自分を知ってもらうためにも積極的にコミュニケーションを取る姿勢に変わりました。高校時代は人生のターニングポイントだったと思います。日本にいたら自分も無意識に両親のことを気にしながら生き続けていたので、カナダに行かなかったら。また違った人間だっただろうなと。