
炊飯器を開けた瞬間に独特の香り
ワクワクしながら炊飯器を開けた瞬間、「うわっ」。両方ともいつもの、おいしそうなご飯の香りとは全く違う。これが古米臭か。家族にも協力してもらい、食べ比べた。
まずは①の普通に炊いた備蓄米。確かに若干かたいが、炊きたてなので、パサつきはそれほど気にならない。だが、「おいしい」という声は家族の誰からも上がらなかった。理由は古米臭だ。アツアツのご飯を口に入れるたび、臭気が鼻に抜けるのだ。味や食感以前の問題か。
一方、お米調理料を入れて炊いた②のご飯は、水分量が多いためか、つやがあった。
「とりあえず見た目は、おいしそう……」(妻)
「あっさりした、素朴な味」(10代の息子)
①の米と比べて、やや粒立ちして、もっちりしている。米の甘みは感じやすい気がした。

冷や飯でこそ効果が歴然
炊飯後、時間が経つとどうか。一般に、炊き上がり当初は、ご飯はでんぷんがアルファ化した状態だが、次第に水分が抜けてベータ化していく。「でんぷんの老化」といわれる現象だ。でんぷんが老化した米は、食感が落ち、黄ばんだりする。
味の素によると、お米調理料はでんぷんの保水力を向上させることで老化を遅らせ、食感を維持する働きがある。炊き上がってから時間が経つと、その効果がよくわかるという。
そこで、炊き上がったごはん2種を保存容器に移し替え、約6時間常温保存した後、再び食べ比べてみた。
普通に炊いた①の冷や飯は、冷めるとポロポロと粘り気がなく、明らかに硬くなっている。
一方、お米調理料を入れて炊いた②の冷や飯は、少しベタつく感じはあるが、もっちりした感じは残り、粘りもあった。
妻は「これなら食べられる」と評価。確かに、冷えると古米臭も気にならなかった。

グレード「お米調理料」で補う
「お米調理料」はもともと、「長時間、炊飯器の中で保温しておくと、ご飯がパサつく」「弁当やおにぎりのご飯は時間が経つと硬くなる」といった課題を解決するために開発された商品だ。
「長い時間おいしく食べられるので、フードロスの削減にもつながる」(味の素の担当者)ともいう。