
「東京は怖い。1日でガラっと票が動く」
街頭ではエネルギー問題を絡めた中長期的な物価高対策や社会保障政策のほか、不妊治療の保険適応など1期目で取り組んだ政策課題についても訴えた。
塩村陣営の阿久津幸彦衆議院議員はAERAの取材にこう話す。
「東京の選挙は本当に怖いですよ。都議選でも大丈夫だと言われていた方が土壇場で逆転されたり、1日でガラッと票が動きます。本当はうまいバランスで票をわけられたらいいんだけど、(それはできないから)危機感を持ってやっています」
立憲民主党から出馬しているもう一人の現職、奥村政佳氏は2019年の参院選に比例代表区で出馬して落選。昨年5月になって繰り上げ当選したため、国会議員歴は1年ほどだ。現職議員としては珍しい最近の現場経験を持つ保育士で、気象予報士資格も持ち、台風研究にも携わってきた。
「手応えはだんだんよくなっています。この1年は保育の問題中心に取り組んできました。現場の声や実情がこんなにも国会に伝わっていないんだと実感した1年です。自分がいなくなると現場の声を伝える存在がいなくなってしまうという使命感を持って、あと数日走ります」(奥村氏)
奥村氏は情勢報道では8番手につけているものが多い。陣営では最後の議席である7番手を自民党現職の大ベテラン・武見敬三氏(73)と争っているとみて、「大先輩の武見さんに『お疲れさまでした』と言えるよう全力を尽くす」(奥村氏)と、追い込みを図る。
東京選挙区の定数は「7」だが、欠員補充枠の7番目とその1つ上の6番目の当選とでは天と地ほどの差があると言われる。欠員補充枠だと3年で改選を迎えるほか、改選時に自党の現職議員と競合する可能性も高いからだ。ただ、奥村陣営の関係者は「7番手でも問題ない」と言う。
「立憲民主党は(2022年当選の蓮舫氏が議員辞職しているため)28年に改選を迎える東京選挙区の現職がいません。党としても、現職が1人いたほうが28年を戦いやすい。それに、今回うちが2人立てているのは東京だけです。ここで2議席取ることができれば、党にとってものすごく大きい。7番手でもいいから、絶対に勝ち抜きます」