4位 アメリカ
アメリカは、移住するには実は「お値打ち」な国だ。
1992年にできた投資家ビザである「EB-5」は、80万米ドル(約1.2億円)を米国移民局(USCIS)が指定した企業体等が運営する雇用創出型の投資プロジェクトに投資すれば、永住権を申請できる。
「先進国にしては、激安の部類です」
家族での永住権申請が可能。その後、子どもが成年になっても、永住権は有効なのもポイントだ。
「投資用の80万ドルをどのように調達したか、細かく確認されることには注意してください」
いま話題になっているのは、この「EB-5」ビザの廃止の可能性だ。トランプ大統領が「EB-5」ビザを廃止して、500万ドル(約7.5億円)の支払いが必要な「トランプ・ゴールドカード」を開始すると表明している。
いまなら1.2億円の投資でアメリカ永住権が申請できる。

5位 マレーシア
「資産5千万円以上で一定の収入があれば行けます。必要金額は、ニュージーランドの約10分の1で済みます」
一定の収入要件はあるが、やや高額な申請料を払い、定期預金さえすれば、20年間滞在できる「プレミアムビザ」がおすすめだ。
申請料は20万リンギ(約680万円)で、家族1人につき10万リンギ(約340万円)追加。夫婦2人なら、約1千万円だから、単身や夫婦だけなど家族が少ない方にはおすすめだ。
収入要件は、国外の月収4万リンギ(約136万円)以上。マレーシアの銀行に100万リンギ(約3400万円)の定期預金も必要だ。
海外所得税は非課税で、居住義務はなし。さらに就労も可能という。
「これまでマレーシアといえばMM2Hビザが人気でしたが、ころころと条件が変わった上に、今は不動産の購入と90日滞在が必要となっています。プレミアムビザはそれに代わるビザとして人気を集めています」
生活コストの安さも魅力だ。
「アジアの生活コストは、シンガポール、日本、タイ、マレーシア、フィリピンの順です。マレーシアの家賃は東京の半分程度です」

移住手続きの注意点
「どの国も共通するのは、資産と収入の確認です。銀行の取引明細、確定申告書や源泉徴収票それぞれ1~10年分を翻訳して提出することも珍しくありません。資産はどれくらいあるか、これまでどのように稼いだかが確認されます。現時点の申請から承認までの期間は国によって異なり、タイやマレーシアは審査期間が3~6カ月程度と短め。ニュージーランドは半年ほど。アメリカが申請に最も手間を要し、審査には3~5年ほどかかります」
(AERA編集部 井上有紀子)
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