2位 ギリシャ

「最安25万ユーロ(約4250万円)の不動産を購入するだけでいいのです。ギリシャも居住義務がありません」

 ポルトガル、スペインなどの近隣国では、不動産投資で長期滞在権を得られる「ゴールデンビザ」が廃止になった。このため、不動産の購入で申請できるギリシャの「ゴールデンビザ」の存在感が増しているという。

「期限は5年ですが、更新できます。不動産物件を持っていれば、権利を保持できるため、ほとんど永住権に近い状態と言えます」

 物件は賃貸に出してもOK。必要最低滞在日数もない。就労はできないが、起業はできる。

 不動産購入の最低金額は、アテネや周辺地域では80万ユーロ以上、その他地域では40万ユーロ。商業用や工業用の建物を住居用に改築する場合は、25万ユーロ。

「25万ユーロの物件は、商業用からの転換といっても、リノベーションしてしっかりした造りです。ある物件は、アテネ中心部から車で15分くらいで、ビーチに近く50平米でした」

 大森さんによると、家賃は日本より安く、マレーシアのクアラルンプールより少し高い程度。シンガポールと比べても、先進国でありながら生活コストが安い。ドバイに移住した人が「次に目指す場所」としても人気だという。

写真・図版(3枚目)| 【注目ランキング】ニュージーランドのビザに申請殺到 「いま長期居住権を取りたい」おすすめの国ベスト5

3位 タイ

「タイといえば、激安マッサージなど『安い』イメージがあるかもしれませんが、新しいビザが世界的に大人気です。いま一番、富裕層が集まる国と言えるでしょう」

 大森さんがおすすめするのは、10年滞在できる投資家ビザ「LTRビザ」だ。

「注目すべきは、タイの他のビザでは得られない海外所得の非課税制度です。申請条件も投資家ビザの中では比較的簡単で、100万米ドル(約1.5億円)以上の資産がある証明と、50万米ドル(約7500万円)以上の投資(株等でも可能だが不動産が人気)が条件です」

 LTRビザには、50歳以上が対象のタイプもある。年収8万米ドル(約1200万円)の「不労所得」があれば申請できる。

「家賃収入や株の配当といった不労所得が対象で、基本的に給与所得は認められません」

 不労所得が年に8万米ドルない場合、不労所得が年に4万米ドル(約600万円)あれば、25万米ドル(約3750万円)の不動産投資でも申請できる。25万米ドルで購入した不動産の家賃収入を不労所得にして、次回の更新を乗り切る人もいるという。

 なぜいまLTRビザが登場したのか。

「一連の制度変更から、タイ政府が海外の富裕層を積極的に誘致し、低迷する国内不動産市場の活性化を狙っているのでしょう」

写真・図版(4枚目)| 【注目ランキング】ニュージーランドのビザに申請殺到 「いま長期居住権を取りたい」おすすめの国ベスト5
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