
つみたて投資のメリットの一つは「タイミングを計らなくていい」ということ。上がろうが下がろうが自動的に買っていくこと。
「つみたて投資は、長期的な視点で行うことが重要です。
これから10年、20年と続けるうちに円高と円安は何度も繰り返されると考えましょう。
今が買い時、今は避けるとき、などとタイミングを計りはじめるとなかなかはじめられなかったり、続けることが不安になりやめてしまったりすることが出てくると思います」
円高、円安は避けられない。円高局面で「どこまで円高が進むかわからない」とリスクを考慮し、円安局面で「もう少し円安が落ち着いてから」と用心していたら、いつまでもスタートできない。
「為替株式会社」
とはいえ株価だけでなく為替の変動まで……となるとストレスを感じる人もいるだろう。その場合に提案したい、発想の転換がある。
それは「為替株式会社という考え方」。
為替レートの変動による損益はS&P500の中に組み入れられている為替株式会社という1社の株価変動だと想像する。
501銘柄の中の1社が、為替株式会社。
もちろん実在しないことは百も承知である。
円安が進んでいるニュースを見たら「為替株式会社の業績(為替差益)が伸びているのか、私のS&P500も上がるかな〜」と喜ぶ。
逆に円高が騒がれているときは「為替株式会社の株価が下がっちゃったのか。ま、他の銘柄ががんばってくれるでしょ」と割り切る。
株価も為替も気にするより、一緒くたに考えてしまえば意外にスッキリするはずだ。
最後に豆知識。先ほど、投資信託は日々の為替で円換算されていると書いた。円換算する際の為替レートはどのタイミングで、どこで決まっているのだろう。
「米ドル/円は基本的に、三菱UFJ銀行のTTM(仲値)です。
月曜の15時30分までに投資信託の注文を入れた場合は、翌火曜日(祝日等の場合は翌営業日)の朝10時のレートで円換算され、『最終的にいくらで買えたか、売れたか』の基準価額が決まります」