
2016年のブレグジット(英国のEU〈欧州連合〉離脱)・ショックや2020年のコロナ・ショックなど、ショッキングな出来事がきっかけとなり短期的な円高・円安が生じることがある。
逆に横ばい(上にも下にも動かない)が長い時期もある。
2022年以降、円安傾向が鮮明になってから3年目の今。トランプ大統領が再選してから円高に変わってきた。
2025年2月〜4月には「トランプ関税ショック」で相場が荒れた。
「少なくとも今後3年程度は円高が続く可能性が考えられます。
私の分析では約20%の確率で1ドル=120円割れまで進むシナリオです。
円高が4年以上に及ぶ流れの場合、約40%の確率で100円割れが現実味を帯びます」
1ドル=100円割れ。海外旅行に安く行けてうれしい人もいそうだが、我らが投資信託が……。
株安も痛い
トランプ政権の関税政策は株安要因ともなっている。
円高と株安が続くと、S&P500をはじめとするインデックス型投資信託にはダブルパンチ。
これまでは株高と円安でウハウハだったわけで、その逆が起こる可能性あり、と。せめて、脱ぐのは円安の毛皮だけがよかった。寒くなりそうだ。
「これまでS&P500に投資していた日本人は為替相場のことをほとんど気にせずに済みました。
2022年から2023年前半にかけてS&P500は米ドル建てで見れば下落していました。
このときは円安に動いたため、円建てのS&P500(の投資信託)はそれほどの打撃にならなかったんです。
株価が上がらずとも円安で資産が増え続ける、資産形成的には幸福な期間が続いていました」
本ページ上の図の「S&P500の円建て VS 米ドル建て」を見てほしい。1995年2月末を100として比較したチャートだ。
荒地さんの言う通り、2022年頃から円安が追い風となり、米ドル建てと円建ての差が開いている。
2023年、2024年はここに株高が加わりフィーバータイムとなった。
「今後は、株価が上がっても円高で相殺される局面がありえます」
