しめ鯖とゆずガリなどの創作おつまみと、キリっとした日本酒がよく合う「酔っちょれセット」
しめ鯖とゆずガリなどの創作おつまみと、キリっとした日本酒がよく合う「酔っちょれセット」

「高知の夜は、長いんです」というスタッフの言葉通り、夜のお楽しみはまだまだ続いた。

 ホテルのコンセプトである「こじゃんと楽宴(らくえん) さぁ、夜さ来い(よさこい)!」は、よさこいや楽しい宴を過ごすために“夜においで!”という意味。お部屋でも宴を楽しめるようにと、ご近所さんがセレクトした地酒2種と郷土料理をアレンジしたおつまみ数種、そして酒器・可杯の貸し出しが付いた「酔っちょれセット」というアクティビティ商品も用意されている。これも立派な「文化体験」。部屋にある皿鉢をイメージした赤い台の上に広げれば、「おきゃく」で二次会を心ゆくまで満喫できる。

 一日の締めには、大浴場「トサノユ」へ。露天風呂の前に広がる庭園には、トサミズキ・トサシモツケなどの山野草や薬用植物が植栽され、この地域の豊かな自然を眺めながらリラックスできる。高知の工芸品「フラフ」を模したタイル壁画が美しい内湯に加え、オートロウリュのサウナも完備。旅の疲れを癒し、明日への英気を養うことができた。

野性味も感じられる露天風呂の植栽から、植物学者・牧野富太郎を彷彿とさせる。入浴は宿泊者限定
野性味も感じられる露天風呂の植栽から、植物学者・牧野富太郎を彷彿とさせる。入浴は宿泊者限定
広々した湯上り処には柑橘と生姜の高知ドリンクのサービスも。土佐犬の入浴風景が描かれた壁画にも注目
広々した湯上り処には柑橘と生姜の高知ドリンクのサービスも。土佐犬の入浴風景が描かれた壁画にも注目

あんぱん×牛乳?ゆずジュース?それとも……

4種類のドリンクの作り手の顔が見える「あんぱん×ドリンクペア決定戦」の投票ボード。取材日時点での一番人気は牛乳だった
4種類のドリンクの作り手の顔が見える「あんぱん×ドリンクペア決定戦」の投票ボード。取材日時点での一番人気は牛乳だった

 ちょっと面白かったのは、「あんぱん」の放送に合わせて9月30日まで開催されているという「あんぱん×ドリンクペア決定戦」。あんぱんに最も合うドリンクを決める投票イベントだ。OMOカフェ&バルにあった大きなパネルに目を引かれ、迷わず参戦!

コミベーカリーの「土佐あんぱん」をいただいた。県内スーパーにも並ぶほど愛されている人気店だという
コミベーカリーの「土佐あんぱん」をいただいた。県内スーパーにも並ぶほど愛されている人気店だという

 3種のご当地あんぱん「土佐あんぱん」「あん入りぼうしパン」「羊羹ぱん」が日替わりで販売され、購入者には好きな高知のドリンク2種をプレゼントしてくれる。ドリンクは、ひまわり乳業の「高知の牛乳」、ホテル近くのスペシャルティコーヒー店のアイスコーヒー、馬路村のゆずを使ったジュース「ゆーず」、仁淀川町にある茶農園のお茶の4種。意外にも、ゆずジュースとあんぱんの相性の良さに驚きつつ、やっぱり牛乳に投票してしまった。

高知県の食材や隠れた名品をOMOレンジャーがガイドする「土佐のスーパーマーケットツアー」もおもしろい
高知県の食材や隠れた名品をOMOレンジャーがガイドする「土佐のスーパーマーケットツアー」もおもしろい

 ほかにも、快活な高知の女性「ハチキン」に出会えるご近所ツアーをはじめ、この時期ならではの体験が用意されている。飲んで食べて、踊って眺めて、高知を満喫しつくした1泊2日だった。

(文と写真 生活・文化編集部 清永 愛/取材協力 星野リゾート)

こちらの記事もおすすめ 生ビールと玉子のモーニングから幻のソースまで!「ご近所ガイド」と新しい大阪観光
[AERA最新号はこちら]