
7月18日からAmazonプライム・ビデオで独占配信されるテレビ東京制作のドラマ「笑ゥせぇるすまん」で、ロバートの秋山竜次が喪黒福造役を務めることが発表された。メインビジュアルと予告映像も公開され、その完成度の高さにSNS上では驚きと興奮の声があがっている。
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原作は藤子不二雄Aによる大ヒット漫画である。真っ黒なスーツに身を包んだ謎めいたサラリーマンの喪黒が、悩める現代人の「ココロのスキマ」を埋めていく。今回のドラマでは、かもめんたるの岩崎う大、宮藤官九郎、マギー、細川徹が脚本を担当する。いずれもコメディーの脚本家として名高い実力者ばかり。見ごたえのある作品になるのは間違いない。
秋山が喪黒役を演じるというニュースが注目を集めたのは、誰もが納得するような「ハマり役」だったからだ。コメディーと演技の両面で確かな実力を持つ彼だからこそ実現した必然とも言えるキャスティングである。奇抜でありながら繊細、ナンセンスでありながらリアリティをはらんだ彼の演技は、まさに摩訶不思議な存在感を放つ喪黒福造という役にうってつけである。
秋山は見た目のインパクトが強い
秋山は変幻自在のコント職人として知られている。様々な職業の人になりきる「クリエイターズ・ファイル」では、あらゆる業界の「実在しそうな人物」を絶妙に誇張しながら演じ分けていた。ただ、数多くのキャラを演じられるからといって、秋山は自我を捨ててその人物になりきるというタイプではない。
彼はもともとの見た目のインパクトが強い。色黒・小太りでがっしりした体型で、素朴だが味わい深さもある埴輪のような顔立ち。どんな人物を演じているときでも、そこには秋山という本体の存在感がにじみ出てしまっている。でも、それが結果的にユーモラスな味わいを残している。そこに彼の「憑依芸」の面白さがある。
秋山という芸人のもう1つの魅力は、人物や事物を独自の角度から切り取ってネタに昇華させる抜群の観察力と発想力である。たとえば、一つ一つの公共施設に関して、運営しているのが「都」なのか「区」なのか気になる、というところから「TOKAKUKA」という楽曲を作ってしまったりする。扱っている題材は誰もが知っているような身近なものなのに、目の付け所とその調理の仕方に独特の技がある。それが、わかりやすいのにオリジナリティがあってクセになる「秋山ワールド」を作り上げている。