AERA 2025年7月7日号より
AERA 2025年7月7日号より

「結果がついてきて自信やポジティブを得られるものなので、負けが続いているとそういう気持ちになるのは難しいかもしれません。でも、一人でもチームにポジティブな選手や、負けも自分たちが成長する材料だと前向きに考えられる選手がいればチームの力になります。だから自分自身がポジティブにチームを引っ張っていくことは大事だと思っています」

 その姿勢はサントリーに限らず、日本代表にあっても変わらない。

 でも、元からそうであったわけではなかった。

「高校生の頃は、ポジティブに考えられずに考え込んでしまうタイプでした。すごい“緊張しい”な部分もあって、『なんでこれだけ緊張するんだろう』みたいなことをずっと考えていたり。今思うと、あのときももっと楽しんでやってよかったんだよ、と思い返したりもします」

 変化することができた理由をこう語る。

「イタリアに行って海外の選手を見たとき、すごく楽しそうにバレーも生活もしていました。プレーがうまくいかなくてちょっと落ち込んでいるとき、『生きていたらうまくいかない日だってあるよ。うまくいく日もあるし、うまくいかない日もある』みたいな言葉をかけられたりもしました。たしかにそうだな、いちいちうまくいかなかった日のことを考えていてもしょうがないし、それが一つ自分を強くするものだと思って切り替えていく、しっかり受け止めていくこともすごい重要なんだなって思ったのが大きいですね」

 イタリアでの経験に加え、こう続けた。

「大学時代に日本代表に呼ばれたり、挑戦する機会が多かったというのもあります。ポジティブに考えていないと、やっぱり挑戦もできないですから」

(ライター・松原孝臣)

AERA 2025年7月7日号より抜粋

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